人文特講(文学)前期の学生の感想集(感想の一部は「あとがき大全」2005.07.25日号に掲載されています。)

 数年前から法政大学の多摩校舎で「人文特講(文学)」という通年科目を担当している。うちの学部には田中優子先生がいらっしゃって、こちらは江戸学、日本文学がご専門、というわけで、金原の分担は西洋文学。というわけで、一年間、神話の時代から近代小説の発生、そして現代までをしゃべることになっている。
 たしか、講義要項の原稿があったはず……
 お、あった……ので、ちょっと引用。

人文特講I(前期)

人文特講II(後期)
金原瑞人

教科書・参考書
 使わない。適宜、プリントを配布。

授業の内容
 ヨーロッパの文芸史を概説していく。
 近代以降、現代まで、様々な小説、詩、演劇、映画の流れを追っていく。ここで扱うのは、まさに様々、混沌とした風景である。

授業の構成
 「落語」から始まり、ヨーロッパの古代、中世、ルネッサンスを追ってきて、近代にいたり、「小説」という新しいジャンルの誕生、そして明治時代、それが日本に輸入されるところで前期は幕を閉じた。
 「小説」というのは、「小さい説」である。なにがいったい小さいのか。そのへんを考えながら、小説、またその訳語を導き出した英語の ‘novel’ についてさらに考えつつ、ヨーロッパの近代から現代にかけての、意識の流れを追っていこう。
 18世紀、19世紀の文芸、芸術からは予想もつかない、前衛的な試みの数々、科学や心理学の影響を強く受けたジャンル、またそれとはまったく逆の立場から登場してくる恐怖小説やエンタテイメントの数々、それらはいったい、なんなのか、なぜ生まれてきたのか、そんなことを考えながら、ヨーロッパ、アメリカ、ラテンアメリカ、アジア、そして日本について話してみようと思う。
 今まで気づかなかったものが見えてくるかもしれない。

受講生への要望
 講義なので、予習をしてくる必要はない。授業中、まじめに聴いていてもらえれば、それで結構。ただし、映像や音楽を使うことがあり、途中で入ってこられると邪魔なので、授業開始以後10分したら入室不可。

評価の基準
 毎回、授業の最後の10分ほどを使って、感想、質問などを書いてもらう。それから、学期末に2000字ほどのレポートを提出してもらう。そのふたつを総合して成績を出す。

 というふうな内容。ひとつ注を付けておくと、10分たったら入室不可と書いてあっても、入ってくる学生は入ってくるので、後ろの出入り口のドアには鍵をかける。ただ、実際には10分後ではなく、15分か20分後である。
一昨年の講義では(去年はサバティカルで休み)、毎回授業のはじめに寺山修司関係のいろんなビデオを流して、少しその話をした。後期に一度、図書館でそれにからめて「寺山修司特集」みたいなものもやった。学生の興味もあってか、貸出率はかなりよかったはず。
 今年の講義では、毎回授業の頭で、そのとき上演されている芝居、歌舞伎、文楽などの話をしたり、映画の予告編を流したりして、その話を少しだけして、本題に入るという形にしている。多摩校舎にきている学生は、「田舎からやっと東京に出てきたと思ったら、うちの田舎よりずっと田舎だった」などとぼやくが、それは大間違いなのだ。というのも、小一時間も電車に乗れば、世界中の様々な文化が集まっている街に出られるのだから。こんなところは世界広しといえど、そうたくさんはない。歌舞伎、文楽、能、落語といった伝統芸能だけでなく、現代演劇、さらには第一級のミュージシャンたちの演奏、舞踏、モダン・ダンス、ミュージカル、そして映画など、ニューヨークよりも多くの種類のものが観られるはずだ。ただ、多摩そのものは文化的僻地なので、なるべく学生を刺激して、街へ出そうと思っている。それが、最初の10分から20分くらいを使って文化情報を紹介する理由だ。そのあと、文学の話。ただし、最初に紹介した情報も、たまに本題にからんでくることもある。
 そして最後、10数分時間をとって、学生に小テスト用の紙に簡単な感想を書いてもらう。これが出席代わり。こちらは、そのなかからおもしろそうなコメントを選んで、パソコンに打ちこみ、プリントアウトして学生に配る。一昨年までは毎回、次の授業のときに渡していたのだが、今年は最後のほうで、まとめて配った。
 一昨年まで受講者は8、90名だったのが、今年はいきなり300名弱にふくれあがった。これは知名度とか要項の書き方とはまったく関係がない。裏番組、表番組との関係である。つまり、一昨年は火曜日の1限だったのだが、今年はそれを月曜日の1限に移したのが敗因だった。うちの学部は火曜日の午後、教授会があるので、火曜日の午前中は授業数が多いのだ。月曜日は少ない。というわけで、千客万来とあいなった。が、登録者300名とはいえ、実際に来るのは170名前後。しかし、一昨年にくらべて一気に百名の感想が増えると、読むほうも大変である。それをまとめて打ちこむのも大変である。そして前期一度、後期一度のレポート。これも読まずばなるまい。
 しかし、数年にわたって、多くの学生に愛されてきたこの授業も、今年でいったん幕を下ろすことになった。うちの学部が、来年度から大がかりなカリキュラム改革を行うことになり、そのあおりを受けて……というのがその理由。まあ、学生にはまだいっていないのだが、最後の授業なのだ。教えていていちばん大変で、面倒だけど、おもしろかった授業なので、名残惜しい気がする……そんなわけで、前期12回分の学生の感想の抜粋を、ここにご紹介するとしよう。
これは授業に参加しての感想なので、授業を受けていない人にはまったくわけのわからないものもあると思うし、いったいなんのことをいっているのか不明な部分も多々あると思う。が、今時の学生が、金原の授業を受けて、どんなふうに考えたり感じたりしているのかがわかってもらえるかもしれない。
「シェークスピアって、本の題名だと思ってました」というふうな感想から、なかなかうがった見方まで、まさにいろいろ。
 毎回、どんなものを教材に使って、どんな話をしたのか、解説をつければいいのだろうが、その時間がないので、省略。逆に、学生の感想から、どんな授業だったのか想像していただければ幸いである。また、学生が書いているトピックごとにまとめれば、少しは読みやすくなるのだが、それもちょっと時間が……読みづらくて、すいません。
 〈  〉に入っているのが、金原の感想や意見。


①人文特講 4月11日
子どもの頃から落語が好きだったので、今日はじっくり名人芸とも言える枝雀の宿替えが見れて、非常に嬉しかった/日本では昔の音楽というと演歌というイメージがあるので、外国はかっこいいなと思いました歌詞も力強くて、私は個人的にブルース好きなのでぜひ映画見てみようと思います/今日聴いた落語は前に聴いたことがあるものだったのですが、全く違う話のようでした。私が以前聴いたのは、関東の若手(多分)の方のもので、もっと短かったのですが、それぞれに面白く、一つの話で2回も楽しめたのに驚きました/ブルースは黒人の方たちしか歌わないのでしょうか、それとも黒人の方たちが歌うものがブルースなのでしょうか?〈昔は、黒人が黒人のために歌う曲でした〉/〝同じ木でもおまるになるか、稲荷になるかは運命だ〝みたいなセリフは納得できてしまった(笑)/枝雀という人は顔を見たことはありましたが、こんなにもこの人の落語が面白いとは思いませんでした/坪内の訳語としての小説が誤りを持ちつつも、矛盾を存在させたのには、何か、novelの持つ力のトリックのようなものが感じられます/一人で話しているのに、何人もの人が目に浮かんでくるような話し方がとても印象的で、すごく話に引き込まれました。話の内容は面白く、かつ、昔の庶民の生活がすこし分かったので、勉強になりました/落語聞き取れません!速すぎます。でも、表情とか体の動きとかを見ているだけでおかしくなりました/坪内逍遥の小説の取らえ方については、浪人時代に予備校で簡単にやったことがあったのですが、その時に思った矛盾が来週から講義されるようなので、楽しみです。また現在は、気軽に読む大衆小説と、難しい純文学という風に、小説の中で、二つに別れているように感じますが、逍遥が芸術として目指した小説はやはり純文学で、大衆小説は人の心にうったえる力は大きくとも、お手軽なものでしかないのでしょうか?〈そのあたりについては、後期〉/先日、町田康の『告白』という小説を読んだ。その本に対する朝日新聞の書評には「言文一致の落語のようだ」と書かれていた。今日の授業で枝雀のビデオを見て、その書評に書かれていたことに納得がいった。町田康の小説の流れるような河内弁のセリフなどは、まさに落語のものである/私は高校時代に朗読をやっていたが、それとはまったく違うジャンルだと改めて思った。(根元は同じかもしれない)/落語はテレビで見たことしかなく、あまり始めから最後まできちんと見たことがありませんでした。あっという間に引き込まれてしまいました。春から落語のドラマも始まるので、落語に興味が出てきました/今、流行っていてテレビに出ている〝お笑い〝とは、やはり明らかに違うという感想をもった。日本の文化、芸術と言われる理由もわかる。リズムや流れが独特であり、話し言葉としてより音楽的/Tei Towaは邦楽の人かと思っていました…。でもテレンス・トレント・ダービーをテクノにした感じで面白かったです/ブルースでは黒人のパワフルな歌声に圧倒させられました。ビデオでもすごかったから、本物を見たらもっと感動するだろうと思いました。是非、一度は生で見てみたいです/落語家の人が一人で話しているはずなのに、話し方やしぐさで女性になったり、ころころと変わっていき、とても面白かったです。また、扇子がタバコになったり、かなづちになったりするのにも驚きました/高校の時はCDを聴いたり、ビデオを見たりしての授業というのはほとんどなかったので、とても楽しみな授業だと思った/〝地方出身者にとって東京ほどゼイタクな所はない〟東北の某ぼん地で育った私にとっては、首を大きく縦にふらざるを得ない言葉でした/あの客席にいるオバサンたちは、あのしゃべりをほとんど理解して笑ってるのかと思うと凄い気がする/意外にブルースっていい音楽だな、と思い、意外に落語って面白いな、と思った。でもどうして落語とシェークスピアに関係があるのかよく分からないので、来週から頑張って授業受けます/今日の落語を見てテンポの速さに最初驚き、自分の情報処理能力が落ちたのかと心配してしまうくらい、話し方が速かったです/この科目に出席したのはシラバスを読んで言文の一致に興味を持ったからである。日本史でその言葉だけは習い知っていたが、もっと詳しく知りたいと思った/落語を初めてまともに観ましたが、意外と笑えるものだなと気付かせていただきました。主人のアホらしさに可愛さまで感じてしまいました/ブルースも音楽のジャンルであることは何となく知っていましたが、あれ程様々な思いが込められた歌とは知らず、大変感動しました/Tei Towaの新作は買おうかどうか迷っていたのですが、今日聴いて良かったので、買えたら買おうかなと思いました/最初の方に歌われていた女性の歌は、アフリカのイメージのある知らぬ言語の歌に聞こえて、どこか土くさく、演歌のように懐かしい気がしました。素晴らしく美しい伸びのある声で、もっと聞きたくなりました。枝雀さんは何故亡くなってしまったのでしょうか?〈天才で、かつ、先が見えすぎたのでしょう〉宿替えは枝雀さんが作ったのか、昔からあるものですか〈昔からある古典落語です〉。表情やすごい話芸でした。講談や長唄などもどんなものなのか興味があります/最初に見たビデオはとても感動しました。最後に歌った人が〈B・B・キング、ブルースの大御所ですね〉、ブルースを若者が拒絶した、私は心で泣いて入たんだという所が、とても悲しそうでした。歌のフレーズにもあったように、どんなに酷い仕打ちをされても愛し続ける、と、歌に対する情熱がひしひしと感じられました。他の人たちの歌っている時の楽しそうな表情を見て、私も楽しくなりました。ブルースには興味のなかった私ですが、これで興味を持つようになりました/今日初めてまともに落語というものを見ました。とてもテンポが速かったので細かい台詞や、役の移り変わりがなかなか分からない部分もあったけど、後半は話の流れやテンポもつかめてきて面白かったです。演劇とも朗読とも違う面白さがありました/小説とはまだまだ新しい芸術なんだなあ…と知ってびっくりしました。Novel=新しいという意味というのも知りませんでした。中国における「小説」と日本の坪内逍遥が打ち出した「小説」の意味のズレにも、とても興味を持ちました/初めて落語を聞いたが、やたら早口だなと感じた。しかし、のんびり話してたら笑いは取れないなと思った。音楽もテンポの速い曲はテンションが上がるから理にかなっているなと感じた今日この頃です。ためをつくってオチを言うのもやはり威力があるものなんですね。弓をひいてピュッていうのと似てるから、ジャンルは遠くてもどことなくつながっているなという印象だった/最初に聞いた「小説」の話がすごく面白かった。小説の〝小〝って言葉をあんまり気にとめたことがなかったので、これから話を聞くのがとても楽しみです/落語はテンポが速すぎてよく分からなかったというのが正直な感想だ。笑いどころとかも分からなかったし、それなりの知識がないと楽しめないものではないかと思った/Tei Towaは基本的に好きです。CD持ってます。ヒロ杉山も高校の時から注目しているアーティストでした。先日、友人に誘われたパーティでヒロさんがVJしたイベントでヒロさんとお話させていただきましたが、非常に優しくて素敵な方でした。友人は京都造形大でヒロ杉山の授業を受けています。貴重な出会いをしたなと嬉しく思いました/エンタテイメントはつきつめれば自分との闘いということなのかなと思いました/ライトニングインアボトルに出てたドラマーのスティーブ・ジョーダンが好きなので楽しめたし、嬉しかった。機会があれば観に行きたいと思った/「ライトニング・イン・ア・ボトル」は2ヶ月くらい前に予告と特集を見てから、とても観に行きたいと思ってました。今月末で上映が終わってしまうなら早く観に行かねば!!枝雀の落語はすごい早口で聴き取るのが大変だけど、やっぱり面白いです。英語で落語やっちゃったり、型破りで大胆ですごいですよねー/枝雀氏の話すテンポが小気味よく、表情が多彩で、声のバリエーションに翻弄された思いです。「足許気いつけなあよ×2 お前一人の体じゃにゃーよ」というフレーズが頭にこびりついています。ブルースに何となくですが、興味があります。入門用としておすすめのCDがあれば、お教えいただきたく思います〈『オール・ザット・ブルース:ブルースの誕生一世紀』 PVCP9654-5、というP-Vine というレーベルから出ている二枚組がお勧めかな。入手しやすいし〉/ブルースはとても生命力を感じさせる音楽だなと思った/落語をしっかりと見たのは初めてでした。祖父の家に来たような気持ちになりました。思ったよりも動作が激しく、声の流れが音楽の波のようで、だんだんその波に慣れ、聞きとれるようになりました。話す落語と読む小説の繋がりには興味がわきました

②人文特講 4月18日
夏祭浪花鑑の殺人場面の演出や迫力、生々しさは素晴らしかったです。NY公演が好評だったとは聞きましたが、外人の人がどんな感想を持ったのか興味があります。そしてアングラ劇や他の歌舞伎との違い(NY公演の時、パトカーなど乱入しませんでしたか?)も知りたいです。蜷川さんの演出の場面をちらっと見たのですが、彼岸花が舞台中に咲いていてとてもきれいでした。文楽の女殺油地獄のビデオを見た時も、人形なのにあまりの殺人現場の凄惨さに驚きました。なかなか人の死まで苦しみもだえる様がリアルで油のすべる様子、本当の人間と感じました/はじめに見た歌舞伎はほんの一部分だったけれど、そのほんの少しの部分だけでも、楽しむことができました。役者さんがとても表情豊かで、勘九郎さんの演じる者が、義利のお父さんに苛められている時の耐えている顔など、その時の気持ちがすごい伝わってきたと思います/特に今日は落語についての解説で、歴史を通しながら落語家の芸の意味や地域によって落語の評価等、初めて耳にすることばかりで新鮮でした/確かに演出効果は高そうだが、後片付けは大変ではないのですか。特に泥は/勘九郎がNY公演で水を使ったのは江戸時代の歌舞伎への原点回帰という意味が大きいとは思うが、その中に唐十郎や寺山修司などのアングラ演劇の影響があったということが面白かった/最初の歌舞伎の映像で、殺しの場面が見せ場と知って、今まで歌舞伎の世界のことはよく知らなかったけど、どうして人がその場面を面白いと思って興味を持つのか自分も生で見て体感してみたいと思いました/見せ場である殺しの場面も凄かった。本物の泥と水を使って演じるのは不思議なくらい迫力があった/御伽衆がJapanese clown だという話がありましたが、道化という役割は、どんな物語の中にいても、見る者、読む者を心なしか不安にさせます。それでも、王(道化を雇うもの)はなぜ道化と不思議な組み合わせを保っているのか、と考えてしまいます/でも何を喋っているのかほとんど分かりませんでした。歌舞伎を好きでよく見に行くって人は、あれがちゃんと理解できているのかなあ、すごいなあと不思議に思いました〈イヤホンガイドを借りるとよいです〉/メインの殺人シーンの、やけにゆったりした独特のテンポに引き込まれました/その衰退や流行の理由が政治やメディアのためだと考えると、落語という文化は昔から変わらぬ魅力があるように感じます/確かに、『女殺し』は、殺人の場面が印象に残って(というか他の部分があまり面白くなかったのですが)いまして、今日のお話の中で、歌舞伎が殺人の場面を一番の見せ所にしていると知って、何か歌舞伎が高等なものなのかと、よく知らなかった私には、実は庶民的なものなのだと、認識した次第です/先生が推薦したテイ・トウワのCD、買いました。Albumで41分は短過ぎですね〈マイケル・ナイマンの「Anohitono Waltz」は十数分で1500円くらいした〉/私は紙きりが大好きだからです。落語と落語の間に色物というものがあるなんて全く知りませんでした。紙きりのリクエストをするためにも、前列に座りたいと思います〈ぜひ!〉/勘三郎のニューヨーク公演のビデオでは、最後にお客さんが立って拍手をしていましたが、お客さんのほとんどはアメリカの人ですよね?彼らは日本語の芝居をどうやって理解したんですか?〈なんとなくわかるものです。あらかじめ粗筋は配ってあるし。しかし海外公演の場合は、その国の言葉でイヤホンガイドのあることが多いです〉/120軒から15軒に減った時の水野忠邦は予想通りだった…。1903年にイギリスのレコード会社が日本に進出してきたのは、当時の日英同盟が関係あるんですかね…!?/落語の歴史の話が興味深かった。日本史の文化のカテゴリや国語の文学史、芸能等の範囲で小さくしか取り上げられていなかったので、断片的な知識しかなかったが、つなぎ合せてみると芸能も苦労しているんだなぁと感じた。けれど倹約会などの緊縮財政政策で肩身が狭くなっても再び興隆したのは伝統芸能の積み上げてきた歴史と自信が要因であったのではないかと思い、やはり歴史があるものというのは、それだけの経験があるということで、重みのある文化なんだなぁと感心しました/私は昔から人の話を聞くのが大好きでテレビではなく、よくラジオを聴いていました。というのもテレビでは視覚的情報が優先的に入ってきてしまうところだけど、ラジオは話をするという表現のみなので直接的に話し手の人柄などが伝わってくるところに魅力を感じていました/水を使った舞台を初めて見た。通常舞台は水は禁止されていると聞いたのでびっくりした/寄席と落語って違うんですか? ちょっとよく分からないのですが〈寄席は落語や講談などがかかっている小屋のことです〉/落語の元は道化といわれているという事が、驚きでした。私の中の道化というと何も話さないイメージがあったので。(考えてるものが違うのかな?)〈海外の道化の技のひとつにパントマイムがあるから〉/実際に夏祭浪花鑑の殺しの場面を見て、とてもリアルなのに変にドロドロした感じではなくて、上手く言えないけど魅力が少しわかったような気がしました。見入ってしまうものがありました。また本水本泥はほんとうにリアルで凄かったです/今日見たものの殺しのシーンは、リアルではないのに迫力があると感じた。テレビで見るのとは(ドラマなどで)全く異なり、場面に入りこんでしまうような気がした/真打制度(!?)が大阪になくて、それが寄席にあるから成り立つものということにびっくりしたんですけど、どうして寄席がないと成り立たないんですか??〈東京風の寄席という場所は、前座→二つ目→真打ち、という階級があって、その順番に舞台にあがるから〉 /歌舞伎のDVDを観た時、意外に話の内容がわかったので面白いと思いました/先週は枝雀という人の落語を見て、家で話をしたら、寄席に一度行こうということになりました。今日の話でますます行ってみたいと思いました/快楽亭ブラックが実在の人だとは知らなかったです。今まで「美味しんぼ」に出てくるキャラクターとしか思ってなかった。歌舞伎は今までカタイものだと思っていたが、80年代のパンクやアングラ劇に共通するものがあるとすれば、親しみがわきます。80年代のパンクのように全裸で出て来たり、臓物を投げることはないと思います/最後、親を殺して悲しむだんしちが印象的でした。戦い、殺す殺されるをクライマックスにもっていくところはアクションものの映画に似ているし結構好きです。四谷怪談など、現実離れした狂乱が見たいという客の気持ちは分かる気がします/今日見た歌舞伎や、玉三郎のDVDになって売られているのを見ると、ちょっと気持ち悪い。歌舞伎や能は好きでよく見に行くが、知人に「芸は生き物だから人と一緒に死んでなくなって消えていくのも良いと思う」と言われたことがあって、ショックだったことがあった。今日はそんなことを思い出しました/落語の歴史については、少し難しかったです。だいたい言葉がわからないのだから、先生の話を聞いても理解できません/そういえば、昔、四谷怪談の舞台を見て、伊左衛門がお岩にやられてしまうシーンがすごくおどろおどろしかったですが迫力があって面白かったです/特に〝殺し〟は歌舞伎だけでなく、ハリウッド映画や、TVドラマなどにも共通するエンターテインメントになっている。調べてみたい。教授の考えも聞いてみたい〈アメリカ映画の殺しの場面はスリリングではあるけど、歌舞伎のように形式美になっていないところが違うかも〉/落語は高校の芸術鑑賞会で見たのですが、そこでコマ回しと手品の色物を見た覚えがあります。落語よりコマ回しの方が盛り上がっていましたけど/落語の快楽亭ブラックは前にテレビ番組で一番最初にラジオとかに出た外国人として紹介されていて、レコードも流していたけれど聞き取りにくくて、内容の印象もあまり残らなかったのを思い出しました/立川談志氏は「落語は人生を語るもの」とか「こぶ平? あんなやつはおれのもとでは真打になれねえ」とかおっしゃってました。今度、町田での独演会を見に行く予定なので、家元の噺をしっかり聴きたいと思っています/殺しの場面で水と泥を使っていて、その場面が終わった後に背景が切りかわっていた所は唐十郎さんの赤テントの演出と似ているから、勘三郎さんはその演出を当時見た時に影響を受けていたのかなと思いました〈あの手法、いまではいろんな人が使ってる〉/今日見た「夏祭浪花鑑」の殺しの場では、悪役が本当ににくいと思えるほど見入ってしまった。殺し場を「待ってました」という客の気持ちが良く分かった/私は高校の時、学校の芸術鑑賞会というイベントで国立劇場に歌舞伎を見に行ったことがあります。一番前の席で「鳴神」というのを見ました。それまで全くといっていいほど興味がなかったけど、その時の舞台が面白くてハマってしまいました〈ぼくが歌舞伎にはまったのも、団十郎(当時、海老蔵)の『鳴神』でした〉/私は生で見たことがあるが、その迫力は素晴らしかった。正直言って意味がわからない。何を喋っているのかさっぱりわからない。面白いかどうかもさっぱりわからない。できれば外国人向けのガイドがほしい。けどそれは言葉じゃなくて、もっと肌で感じるロック、わき上がるロックなのかもしれない。…でもやっぱり難しい/3月に勘三郎の襲名公演を見に行き、とても面白かったので、今日のニューヨーク公演の映像、また昔の裏話など聞けて良かったです/Live DoorがこれからITの時代とか言っていますが、ITの時代になって落語はどのような役割をはたしていくのか、興味があります/昔どこかで落語の寄席は朝から晩までいられるよと聞いたことがあって半ば信じていなかったのですが、今日授業でその話が出てきて、本当だということがわかりました/歌舞伎の本水本泥はかなり迫力があるなと思いました。悪役のお父さんが結構コミカルで意外に現代っぽいなと感じました/今日見た歌舞伎は以前人形浄瑠璃で見たことのあるやつでした。人形で見た時よりも迫力があったのはやはり生の役者が演じているからでしょう〈文楽は文楽でまたおもしろいんだけどね〉/先週見たVTRで羽織を脱いだのには気がつきましたが、単にヒートアップしたから脱いだだけと考えました。奥深いなぁと感じます/落語の歴史の中でイギリス人のブラックの名前〈いや、オーストラリア系日本人二世かな〉が出てきたのは驚きました。高校時代日本史をやっていたので、あのブラックが落語をやっていたという話にびっくりしました/落語も歌舞伎も私から見れば立派な、かつなかなか親しみにくい〝伝統芸能〟なので、それらが時代の最先端をいくおしゃれなものであったという話を聞くと、とても不思議に思えます。こうして授業で日本の文化として学んで、さらに深く知るために決心して歌舞伎座に行ってみようかなどと考える人間が後世に出てくるなんて、昔の人は考えなかっただろうと思うと同じに、今流行っているブログやネット配信の音楽といった新しい文化もいつかは〝当たり前〟で〝古くさい〟ものになっていくのかなと思います/歌舞伎の映像をきちんと見たことは無かったんですが、今日初めて見て、白塗りと黒い背景のコントラストの迫力に圧倒されました。セリフを言う時の絞り出すような声を聞いて、どれだけ喉が丈夫なんだろうとか、音に合わせて跳ねる練習をどのくらいしたのかとか、昔の人も客を呼ぶための色々な工夫をしていたんだなとか、とにかく沢山考えるきっかけになりました/特にBGMが火の用心みたいな音でいちいち顔をキメたりするのが、わりとピンチの時なのに余裕に見えた/この授業で歌舞伎や落語、芝居や映画などを見に行くような校外授業があったらいいのに…と思った/今度是非笑点(大喜利)についてふれてください。よろしくお願いします〈ごめん、パス〉/もともとうちの母が勘三郎が好きで、襲名時の様子をまとめたドキュメンタリーなんかも見た。その時の内容は「桃太郎」だったと思うが、鬼退治をした後、おデブさんになり年もとってしまった桃太郎が、再び鬼?を退治するような話で、普通の演劇とはまた違った面白さを感じた/それから、道化がそんなに昔からいたということは、やっぱり「笑い」と「政治」も関わりがあるんだと納得できます。今も政治家を芸人が皮肉ってみたり、とワンクッションおいた観点からの視点は市民にとってなくてはならないものだと感じます/ちょっと前の大河ドラマ〝利家とまつ〟の利家が「カブキモノ」と言われていた。「傾き者」の意味がわかった。勘三郎が彼の父親に紅テントみたいなものがやりたいと言って断られた。その時言われた言葉が、「形を取得していて、それを破るのが型破り。形が元々ないのに破ろうとするのが形破りだ、お前はまだ形がない。100年早い」だったらしい。なんだか心に残る/ちなみに、宮藤官九郎のドラマは、先週の金曜日から始まって、初回は「芝浜」という落語のお話でした。面白かったです/伝統芸能のことが学べると思い、この授業を履修しました。私は無類の歌舞伎好きです。贔屓は中村屋ですが、仁左衛門、左団次、菊五郎、トミー(天王子屋)が大好きです。今は歌舞伎座の売店でアルバイトをしています。先月から地獄のような忙しさで、海老蔵襲名の3倍くらい忙しいです。幕見も4時間位前から並ばれていますよ。先月のイワシ売りは良かったです。襲名らしくハッピーで心温まる演目。にしても新勘三郎は人気実力最高潮だなあとしみじみ思います。これを機に若い人がもっと歌舞伎を見られればいいのに…。松竹が古い体制のままではむりなのかしらん…。来月の研辰の討たれ、6月のコクーンと見に参ります。楽しみ。ええっと時間がないのでこれくらいにします〈そのうち、一緒に歌舞伎にいきましょう〉

③人文特講 4月25日
また「牡丹燈籠」の「カランコロン」という擬音は、すごくすごく怖さを引き出していると思うのですが、以前テレビで、あのような擬音で話を盛り上げるのは日本の怪談特有だと言っていました。外国の怪談ではまた違った工夫があるのでしょうか? 気になります〈擬音などの効果音はよくある手法だと思うけど〉/それから、「明治の人々がなぜあんなに英語の文献が読めたか」の問いについて私は、漢文の文構造と英文の文構造がすごく似ているために、すんなりと入っていけたのではないか、と考えています。どうでしょうか?〈そのへんはよくわからない。もしかしたら根性かもしれない〉/朝日新聞の朝刊に勘三郎のインタビューが載っていました。先週は4週連続の2回目で七之助のことを話していて、事件を起こした後、勘三郎は外を出歩く時、帽子を深くかぶり、ひっそりとしていたようです。でも、井筒監督の「パッチギ」を見て、ふっ切れたという話をしていました/「だくだく」のようなナンセンスものは話を聞くだけで面白く、見てみたいと思った。山村浩二さんの「頭山」はナレーションが落語のような口調で、アニメとうまくマッチしていて良かった。普通の人間だけでなく自分までもが頭山に登れるというオカルトっぽい現象はとても興味深い/でも何より110年ほど前のワシントンポストが聴けたことに感動した。確かに音は悪いけど、時代を感じた/見たいなぁと思っていた「頭山」も見れたので良かったです。どうやって終わるのかと思っていたら、すごいオチで面白かったです/「頭山」で主人公が最後に自分の頭にできた穴に身を投げて死ぬというのは、現代人がさまざまなプレッシャーに押しつぶされて、自殺する姿が投影できて恐かった。ある日芽が出て花が咲き、人々にもてはやされ、次にはそれが重荷になって逃げだせば、そこに穴があいて挫折して、それに耐えられなくなって死んでいく姿が、先日自殺したポール牧さんのようにも見えた/先日紹介した「ライトニング・イン・ア・ボトル」観てきました。歌手のラインナップもすごかったがバックバンドも物凄い人物が目白押しで驚きました。「葬式でもないのに皆が集まったすばらしい」と言っていたが、リスナーにとってもあれは本当に奇跡の夜だと思います。生ではなくスクリーンという媒体を使ってでしたが、〝音楽の力〟に鳥肌が立ちました。ぜひとも近いうちに〝ラストワルツ〟なども観たいと思います/牡丹灯籠も真景累ヶ淵も頭山も、最後には死がかかわっていて、昔も今も人の死に関心があろのは変わらないのだなと思いました。今日、頭山の映像を見て、こういう形のものもあるんだなとビックリするとともに、映像もまた違った見方や感じ方ができて楽しいなと思いました。ただ、最後のオチである死がなんだか笑えなくて悲しかったです/先週、この授業で落語について学んだので「タイガー&ドラゴン」を改めて見てみたら、面白かったです。先週までは、ドラマの中で出てくる「よせ」や「こうざ」や「しんうち」という言葉が「寄席」「高座」「真打ち」という漢字に頭の中で変換できなかったけど、先週はちょっと分かって嬉しかったです/真景累ヶ淵の話って落語がもとになっているんですね。累って日本の三大幽霊の一人で代々そこに生まれた女の人をとり殺していくたちの悪い幽霊じゃなかったですか〈よく知ってるね。千葉県の「累」という女の幽霊譚はいろんな作品を生んでいるので有名〉/円朝の作品のあらすじを聞いたときには、歌舞伎の話かと思った〈圓朝の幽霊話、いくつも歌舞伎になってます〉/「悪縁」という人と人とのつながりが、とても面白いと思った。親の金貸しの事件を知らない子供2人が出会い、そしてその2人も同じような運命におちてしまう。その奇妙な関係に、鳥肌が立った/私は講義中にあった「タイガー&ドラゴン」を観ているのですが、あの作中のどこに本来、差別用語があるのでしょうか?〈TVではすべて削除されるか、差別語の出てくるものは原則としてやりません〉/落語といえばよく飛行機に乗った時イヤホンで聴いているが、あんな感じのラジオ番組があればいいなぁと思います〈有線を引きなさい。いつでも落語をやっているチャンネルがあります。うちもひいてます〉/真景累ヶ淵の主人公の名前は宗税ではなくて宗悦ではないでしょうか〈正解〉/二葉亭四迷が、親に「くたばってしまえ」と言われたからつけたというのは嘘という説もあるらしいですよ/よく外国に行くと日本の伝統について聞かれるというけど今聞かれても自分は何も答えられません/この講義の影響で先日読んだ、落語の速記本(このように呼ぶことも今日初めて知りました)にも、面白おかしいばかりでなく、ほろりとさせられる人情話や思わず憤慨してしまいそうになるひどい話がいくつも載っていたように思います〈そうそう、いろんな話があります〉/「夏祭り」の立ち回りは、やはり面白かった。私個人としては、周りのアクロバティックな動きをしている役人たちの動きがすごいと思った。軽やかに飛び跳ねて回転する様は本当にかっこいい。勘九郎とも息があっていて、殺陣シーンより好きかもしれない/私は恋愛というかそういう場面は苦手でどちらかというと殺人や修羅場の方がハラハラして好きです。だからそういう劇を見たいです。お願いします。あと、二葉亭四迷の「浮雲」を読んだけれどとっても難しくて途中で断念してしまいました。でももう大学生になったので、これから頑張って読破したいです!/黒板をノートにうつす時に、どれが誰の作品なのか、どこへ次は続いているのか分かりにくいので、できればもうすこし分かりやすく書いてもらえると、話も理解しやすいのでお願いします〈了解〉/わざわざアニメにすることが蛇足であるのではないかとさえ思えた。蛇と言えば『頭山』のオチは自分の尾を食らうウロボロスの神話に似てますね〈うむ、たしかに〉/言文一致の運動では、今を伝えるには口語で文章を書くべきだというもっともなことを思いついた坪内の先見性が素晴らしいと思う/一度アカデミー賞を受賞したこの作品を見たいと思っていたので良かったです/今日、一番後ろの席にいたのですが、黒板の字が薄くて読めなかったです〈すいません〉/また「頭山」のアニメーションは、どこかでこの話を聞いたことがあるような気がしましたが、何年ごろの作品ですか?〈2003年かな〉/前日、初めて落語の入場チケットを買ってきました! 私はどうしても色物で紙切りが見たいと思っているのですが、紙切りはあまりやってないみたいで残念でした…。しかも、紙切りはどこの劇場でも夜の部に組み込まれていたんですが、それには何かわけがあるんですか?少し気になります/「目くら」ネタなどの障害者ネタがあることを知りとても驚いた。と同時にまだまだ文学の世界をよく分かっていない自分には、先生が歌舞伎や落語では、よくそのような差別語が用いられていて、そこが面白味の一つでもあると言っていたところが、いまいち理解できないような気もした/語り部の国本武春さんはよくテレビ等で見ますね〈テレビではなく、ぜひ、寄席かどこかで見なさい。抜群にうまい〉/夏祭り浪花鑑の中で初めて立ち回りを見た。意外とアクロバットで驚いた。昔から立ち回りはあんなに派手だったんですか?〈たぶん〉/教室が狭いです…。もっと大きい教室で、座って授業を受けたいです/「夏は怪談話」という習慣も、落語から始まっていたんですね〈いや、歌舞伎でもそうです〉/最後に聞いた昔の録音は、ノイズがひどいし今の私には「何これ~」という感じがしますが、かなり昔の録音だと思うと、「すごいなぁ…」と思います。技術の進歩実感を文学系の授業でするとは思いませんでした

④人文特講 5月9日
英語の公用語化は少し賛成してしまいます。英語力の弱く、日本しか通じない言語では、グローバル化や経済競争でも不利に思えます。ヨーロッパでは、多言語をあやつれる人がとても多く、教育でも力を入れているそうなので、羨ましいです。しかし、円生の落語を聞いていて、あんなに情景が鮮やかに浮かび、何人もの人がいるようで、不気味でハラハラ面白い作品が、理解できなくなるのは、もったいなさ過ぎますし、自国文化の尊重も大切なことだと思いました/卒論で歌舞伎の変遷を調べるのですが、やはり明治維新での教育改革が大きな影響を与えていると考え、資料をさがしているのですが、なかなか筆が進みません。江戸歌舞伎に関する文献は莫大にあるのに、明治、大正以降ガクンと減ってしまうのです〈ご時世、というやつかな。どうしても時代の好みというものがあるから〉/一昨年前、多摩キャンパスに綿井さんをお招きした際にスタッフとして参加したことを思い出した。あれから2年経ち果たしてイラクはどのように変わったのか、世界はどんな方向に進んでいるのか…『Little bird』を観に行って考えてみたいと思います〈ぜひ!〉。森有礼や志賀らの日本語廃止論の話を聞いて、当時の日本にとっていかにヨーロッパの存在が大きいものかを感じました。今の私たちの生活があるのも彼らが欧米に認められようと努めた結果であることはわかりますが、その過程で切り捨てられていったもののことを思うと複雑な気持ちです/文化的コンプレックスは自国と自己にアイデンティティがあってこそ払拭できるものですよね/話は変わりますが、先日ノーブル美術展に行ってきました。本物を目の前にした時、絵が持つ力に圧倒されました。特に印象に残ったのはガリレイとマラーの死でした/ラテン語を含め、アルファベットで表記する言語には前から興味があり、どれも似ているなと思っていたので、今日の授業は楽しかったです/言文一致運動の原点となるのは実は速記であることは前回聞いて驚いたけど、今日詳しく、授業で触れていくとさらなる驚きがいっぱいありました。田鎖さんの速記方の発案は、日本の現在の議事録になっているし、1890年は、スーザの音楽の録音技術の発達との関わりもあって、音を記録するという点では革命的な年だったのだと思った/日本文化が世界に認められ脚光を浴び「日本らしさ」というものを日本人が持ち始めた近年、過去に日本語が失われる危機があったことを知り、とても大きなショックを受けた/今私たちが、日常で普通に使っている言葉に今まで何も意識しないで使っていたけど、今日の話を聞いていたらそのことも少し不思議に感じた。日本語は他の国の言葉に比べて発音をきちんと表現できていないんですね/完璧な文字であるはずのハングルがそれほど普及しなかったのは、ある時突然出てきた文字を、時代が形成してきた文化が受容できなかったからではないだろうか/〝速記〟の話がここまで色々な話に体系的に広がりを持つとは思わなかった/ラテン語がヨーロッパで国際言語なのは、キリスト教の聖書がラテン語ということと関連してると思う〈いや、聖書はギリシア語版もあり、もちろん、ヘブライ語版もある〉。読み方の正式なのは本当にないのだろうか/今日、音だけで聞いたのは落語ですよね? 声だけであんなに面白いなんてすごいです/シェイクスピアを速記させられる少年の小説に興味を抱きました。速記の起源は民間にあると考えても良いのでしょうか?〈うううん、どうかな。ごめん、よくわからない〉/今日の授業は難しくて、ローマ字の話と、明治の時の漢字制限説とか…位しか理解していないような気がします/円生の演じる累ヶ淵がとても印象に残りました。声色を上手く使い分け、それぞれの登場人物の個性を引き出していく演技に圧倒されました。まるで複数の人が演じているようで、特に深見が振りかえると、後ろにいたのが宗悦だったシーンでは、思わずぞっとしました/速記は相模原の議会事務局でインターンシップを昨年に体験した時に見ました。相模原市は業者の人に依頼しているようでした。すらすらと書いていて「すごいな」と思いながら見ていました/GW中に新宿末廣亭に行ってきました。お弁当をたべながら1日中笑って、とてもすっきりしました。紙切りを見ることもでき、とても楽しかったのでまた行きたいと思っています。また今日紹介のあったLittle Birdsも観ました。K’s Cinemaの小さな劇場がシーンごとに血生臭くなったり、悲しみに包まれたりと、とにかく圧倒されてしまいました。途切れ途切れのニュース映像とは全く伝わるものが異なり、動揺しました〈あの迫力はTV報道ではまず伝わらないね〉。富国強兵の時代に多くの人がより良い教育、より強くなる国語を考えた時に言葉をなんとかしようとした動きは、その時代の必死さが見えるような気がします/一番初めの映画の宣伝がとても印象的だった。今まで戦争の話題についてはニュースでしか見ることがなくて深いとこまでは知ることができなかったけれど、女の子の「大人はもう戦争は終わったと言っているけれど、本当はまだ終わっていない」という言葉を聞いて、その映画にとても興味を持った/ハングル文字大好き! 何かカッコイー/解読といえばハングルの解読も大変だった。昨年、韓国に旅行に行った時、韓国人のガイドの人からハングルを教わった。規則を覚えれば簡単に読み書きができるということだったが、私にはハングルで使う線の種類の組み合わせ方がいまいちわからず理解できなかった。ハングルが庶民に広まらなかったというのも少しわかる気がする/授業の始めに紹介があった『Little Birds』という映画は個人的にとても興味があります。アメリカのテロ9.11以来戦争というのは私の中でとても大きな問題としてずっとひっかかっています。今日の紹介の映像をたった5分くらい見ただけで、たくさんのことを考えました。この映画はぜひ見に行きたいと思います〈見に行きましたか?〉/声を聞いたけどなんだか昔話みたいだと思った。今はTVや映画とかを見るという機会の方が圧倒的に多いのだから、声(音)だけを聞いて、話を理解して、楽しむというのは、とても新鮮だった。意外に話してる場面が頭の中に浮かんでくるようで面白いなと思った/森有礼がもうちょっと工夫して頑張ってくれていたらと思う。森有礼も志賀直哉も本気じゃなかったのだろう/ところでなぜ参議院では速記を使わなくなったのですか?〈どうしてでしょう〉/日本史の時に出てきた金子堅太郎が速記で出てくるとは思わなかった/この前読んだ養老孟司の本に、日本特有の文化である漫画は、日本語という漢字とひらがな両方を使う言葉だからこそ発達したという話がありました。言文一致運動で、日本の公用語がフランス語などになっていたら、漫画は無かったかもしれません/先生は速記できませんか? 見てみたいなぁ~〈できません〉/「電筆将軍」ってカッコいいんだかダサイんだかなんとも言えないとこですね…/でも、あの字でどうやって読むのか不思議です/先週と先々週、末廣亭に寄席を見に行きました。出てくる人皆が面白かったわけじゃないけど、楽しかったです。落語で良いと思った人は円丈さんです〈円丈、いいキャラだと思う〉/よく映画で子供がラテン語をイヤがってるけど、難しいのかなぁとか思います。あとリトルバーズが見たいです/Little Birdsは絶対見ようと思いました。K’s シネマも好きな映画館なので嬉しいです/「Little Birds」は攻撃される側の戦争の恐怖を描いているみたいなので、とても見てみたいと思った。「華氏911」ではブッシュをたたくのが過剰である点を除けば、立派にイラク戦争の問題点を描いていたと思ったので「Little Birds」と合わせて見てみると、もっと現在の戦争のあり方を知ることができるのではないかと思った。「ガンガン」は何かをたたく音ですが、「ふがふが」というのは何か、入れ歯をなくしたおじいさんが「ふがふが」言っている姿しか想像できなかったのが残念です。他に「ふがふが」って使えるのでしょうか?〈まあ、間の抜けた音だね〉/頭山がもう一度見たいです/今、韓国ブームになっている日本ではハングルを習っている人も多いらしいですが、意外と覚えるのは簡単らしいですねー…。わかり易いっていうのも「カンペキなアルファベット」っていう理由の一つなのでしょうか?〈実際に即して合理的に作ってあるからでしょう〉/音を残すということがいかに難しいことなのかを感じました。でもグレゴリオ聖歌が古代からずっと口伝えで伝わっていると前に聞きました。人々の努力でそうして残る音もあるんですね

⑤人文特講 5月16日
私は高校時代、色々な神話をちょくちょく読んでいました。初めは某大学の受験対策の為でしたが(特殊な試験問題のため)読んでいくうちに、「神話を神話として現代と切り離して読むのはナンセンスなのではないか」と考えるようになりました。また、神話にも、それぞれ特徴があり、宗教や思想とも深く結びついているような気がしました/そういえばなぜかゲームやコミックでは神話をモチーフにした作品が多い気がします。近代小説ではめったに見かけることがありませんね。ジュニア小説やSFなどは別ですが/言文一致の道程では西洋の〝グーテンベルクの銀河系〟と類似した〝言語の画一化〟のようなものが起こって、それまで自由で無限の可能性を秘めていた言語を徐々に削り取り、枠組みにはめてきたのですね。その構造を日本文化に当てはめて考えたことがなかったので新鮮でした/ロックの歴史はすごく興味があり、面白かったです。今度お時間があったらぜひ黒人のファンク、ソウルの話もお願いします〈時間があったら、ぜひ〉/今日はギリシャ神話の話がものすごく面白かったです! 神話や宗教の話は、昔の人が考えに考えた末に出きあがった苦労の賜物といった感じで、普通考えられないような突飛な発想があったり、読む人の時代を問わずに飽きさせない工夫がたくさん盛り込まれていて、多分、千年後の人間が読んでも楽しめるんだろうと思います。それって凄いことですね/坂東玉三郎の踊りがとても素晴らしかった。特に最後の白い衣装の場面。白い雪の舞う中で踊り狂うところ、文楽の人形のようにまるで人に操られているかのような動きに、なんとも言いがたいものを感じた。さらに着物の袖の使い方がとても美しく芸の深さを感じた/それまであったものを壊すという行為に抵抗を感じるというのもあったと思う。何かを得るためにはその代償が必要なことってよくあると思う。それは分かっていても怖いことだから、文語が残ったんだと思う/今日は鷺娘がもの凄く感動しました。一つ一つの動きがとても艶やかで美しいし、特に体を反らせるところはすごくきれいでした。服をかえるのとかも、すごい圧倒されました。最後の舞いも表現する言葉が見つからないのが悔しいくらい引き込まれました。これが何百年も前から行われていると思うと、先人の素晴らしさを感じました/昨日、新宿で映画「Little birds」を観てきました。イラクの現状はとても悲惨で、またスクリーンで見る空襲映像は恐いくらいでした。個人的には米兵の質疑に答えられないのを多用している所は好きではないのですが、改めて戦争の被害を受けている人々の心境が分かった気がします/1年の時に「オイディプス王」を読んだので、今年は他の神話に挑戦してみようと思います。「ライトニング・イン・ア・ボトル」ですが、なんと私の地元で今週末まで公開していました! なので、今週中に見に行く予定です。楽しみです!/ちょっと前に、新宿に落語を聞きに行ってきました。「落語を聞きに」、というよりは「紙切りを見に」の方がメインの目的だったのですが、残念ながら手を挙げることはできなかったです…。でも、また近い内にもう一度行きたいと思っています/考えてみれば黒人ロックバンドはそう多くない。一般に知られるほどのバンドなどほとんどいない。これは自分たちの文化が大きく変えられ、受け入れられているからではないだろうか? 例えば演歌がまったく違った形で世界に広まり、受け入れられてしまったら、北島さんも興ざめではないだろうか〈しかし、北島三郎も、これが演歌だ、とばかりに歌うのではないだろうか。黒人のブルースの場合は、ちょっと違うような気がする〉/二葉亭四迷の筆誅するというのを文語で書いていたというのには、正直、唖然としてしまった。でもそれだけ私たちが今使っている口語を生み出すことは大変だったんだと思うし、そんなに苦労してまでも口語を使おうとさせるほど、日本人はヨーロッパから大きな衝撃を受けたんだろうか/神統記の話を漫画化したものがあればいいなと思いました。良い文献があれば参考に教えてください〈マンガはないなあ〉/歌舞伎の鷺娘ですが、傘を持っていたのは引き抜きのためですか〈傘の陰で引き抜く場面はそうです〉。あとやっぱり最後は死んでしまったのですか〈はい。で、地獄に堕ちる〉。ギリシャ神話は凄い話が多いようですが、それは神話ができる頃の人々の生活でそういうことがあって、それで話ができたのでしょうか〈さあ、どうなんだろう〉/詳しく知れば知るほど、ローマやギリシャの神々と日本の八百万の神々の間には、類似点が見えてくるようだし、古代の人々はそれほど、世界の隅々にまで神的な力を感じ取っていたのだろうと考えると、現代の私達よりもよほど想像力も好奇心も豊かだったのではないかと思えます。あまりに人間くさい古代の神々は人間離れしたキリストや釈迦よりも近しい存在のようです/「引き抜き」は傘一つのスペースで、パッと鮮やかな色の着物に変化して現れるその度にとても心が惹かれました/日本で最初の児童文学書は、どんなものか興味を持ったのですが、今でも図書館とかに行けばあるものなのですか?〈あります。つい先日、講談社文芸文庫から明治・大正の児童文学のアンソロジーが出て、それにも入っています〉/少し古いですが、『タイタニック』は〝ティタン〟をもじってつけた名前なのでは?と思いました〈というか、英語では ‘Titan’ はそのまま「タイタン」と読みます〉。ここ最近では第二次大戦中の潜水艦を題材にした『ローレライ』は〝伝説の魔女〟という意味らしく、それも興味深かったです〈ライン川の妖女の名前だね〉/言葉がすぐに変わることも可能だという事に、少し驚きを感じました。日本の言語は今後変わる事もあるということですよね…〈もちろん〉/映画「地獄の黙示録」のラストは「父殺し」を言っている。そして混沌の世界に雨が降り、原住民が武器を捨て、病める王の支配が終わる。この映画も神話のプロットをベトナム戦争に埋め込んでいて、単なる戦争映画とは異なるジャンルを作り出している。フレイザーの「金枝篇」にも神話にちなんだ儀式などが取り上げられているが、そちらの話では、神というものは具現化しないもので、誰か人間の姿を借りなくてはいけないのだと、昔の人々は考えていた。その点、お腹の中で生き続けた神様の話は興味深い。大体の神話の大枠は似ているのに、神の概念が違っているからである/また、神統記については、図で表すとややこしいが、命を生み出すという神秘的な出来事を実にリアルに示しているのではないかと感じた/江戸から明治に入るときに言葉を全国各地統一し、標準語を作って国家をつくるという政策は知っていたが、これも言文一致の一つだったのかと、自分の知識と学んだことが繋がって感動しました。ギリシャ・ローマ神話の創世記では、内容の濃さに驚き、今日の授業で一番印象に残っています。ギリシャ神話は男女の関わり合いや権力が欲しいという欲望から生まれたもので、現代の私達にも切っても切り離せない問題の根本がこの神話にぎゅっと詰まっているのだなと気付かされました/「鷺娘」の女役さんは、男ですよね ??(念のために…)男なのにどこからあんなに色気が出て来るのだろうとびっくりしました。仕草も本物の女の人よりも女らしく動いていて、色気を感じたのですが、何よりあの桜色の着物姿が美しかったです。何故あんなに似合っていて、美しいんでしょうか? 本当に不思議です。それから最後の白い衣装で髪を振り乱して踊る姿も、物悲しく打ちひしがれた女心がひしひしと伝わってきて美しいと思いました。〝女らしさ〟というのは本来備わっているものではなく、美しく見せよう、感じさせようという気遣いの心によって生み出されているのかなぁと思いました/今日の授業の中で、訓民正音というのが少し分かりませんでした。これはハングルとは違うものなのですか?〈「訓民正音」というのは(民に教える正しい音)という意味ですが、これは初めてハングルの表記法をしるした本の題名です〉/先週、『シェークスピアを盗め!』を読みました。シェークスピアとの絡みはあまりなくて、なぁんだって感じでした。速記についてもあまり重点的にはとらえられてなかったです。次は、『シェークスピアを代筆せよ!』を読んでみます/当然のように使われている日本語が「間違いだらけ」と指摘され、正しいものが問われています。「正しい日本語」=「尋常小学読本」なのでしょうか?「正しい」の基準はどこまで時代をさかのぼれば、見えてくるものなのでしょうか?〈正しい言葉など、ありません。言葉は時代により、社会により、人により変わっていくものです。ただ効果的な言葉の使い方はあります〉/前回先生がおっしゃっていた「Little Birds」見てきました。今まで頭ではイラク人がたくさん亡くなっているのは分かっていたつもりでしたが、映画を見て自分は何も分かっていなかったのだなと、思いました。結局、他の国の事として考えていたんだと思います/「鷺娘」、最後に立ったままゆっくり崩れていく場面や、何度も音も踊りも止まって、死んだのかなと思わせてまた動き出すところとかに無念の大きさが表現されているような気がした/いつか2500年とかの未来では、私たちの今使っている言葉も使われなくなって、古文みたいになっていくのでしょうか?/北欧神話でもそうですが、なぜ巨人族と新しい神族が戦争をするのか、というのが疑問です/初めて口語体を目にした時、文語に慣れ親しんでいた人達は、外国語に出会ったような気分だったのでは、と思いました/元の表記法には「ハングル」みたいな呼び名はなかったのですか〈「吏読(りとう)」と呼ばれている複雑な表記体系がありました〉/二葉亭四迷の「筆誅を下す」という言葉がとても面白く気に入った。今では普通の口語体を書くことが、以前は難しいことであったというのはなんだか信じられないがやはり面白い/坂東玉三郎の鷺娘の足運びは圧巻でした。体重移動がとても細かく素早くて、一朝一夕で身に付くものではないと感じました/ちなみに忌野清志郎は35周年だそうです。35年も自分のロックを貫いてカッコイイと思います/言文一致運動がいかに時間を要し、大変だったかよく分かりました。公文書に関しては1946年に口語体になったということで、今まで当り前に使っていた言葉がとても新鮮に感じました。当時は子供たちも文語に慣れ親しんでいたということですが、子供に文語を身につけるようにするにはどのように教育していたのでしょうか? 私などは今文語文を読んでもとても難しく感じます〈身近なものとしてあるかどうか、という、ただそれだけのことです〉/モンゴルに行ったことがありましたが、モンゴルの文字も縦書きのアラビア文字のようなものだったのが、ロシア文字を参考にして作ったものに変わりました。文字は人間にとって大切な伝達手段の道具で、それが変わると定着させるのが難しいですが、誰でもわかる覚えやすい文字を作ることこそ「文字」の目的なので、やはりいつまでも古い複雑な習慣を変えることは大事だと思いました/昨日私の母も踊りの発表会で化粧がすごかったです。踊りのビデオも化粧がすごいなぁと思いながら見ていました。表情とかも変化していてじーっと見てしまいました。また引き抜きの場面もとてもきれいで素晴らしかったです/神様の数え方を初めて知った。なぜ「柱」なのだろうか。家にある柱と関係あるのか/日本の文化から、ギリシャ神話まですごく広く話が展開していくので、ちょっとよそ見をしていると危ないですね〈よそ見と私語は厳禁です〉/ウラノスとクロノス、同じようなことを繰り返してしまう二人の姿が以前授業で聞いた怪談話(題名は忘れてしまったのですが…)の盲殺しの父と、息子、のことを思い出しました/神様たちは身内と結婚ばかりして大丈夫だったのでしょうか。神話を読む時代の人はそれが当り前だったのだろうと思うけどびっくりです/最初にロックの話をしていて、少し遅れてしまったため途中から聞いたのですが(ごめんなさい)UKの新人バンドでblock partyという人たちは、ボーカルが黒人なのですが、ロックでかっこいいです/先日、「タイタンの妖女」という本を読みました。たまたまバスへの空き時間だったのですが、面白すぎて止められませんでした。先生は本日ティタン=巨人とおっしゃられていたので、タイタンは由来としてティタンから来ているのかなと思いました〈大学の卒論はカート・ヴォネガットで書くつもりだったんだけどね〉/「鷺娘」にとても感動しました。踊りを見ているというよりも絵画的でアニメーションを見ているようでした。舞ってくる雪も衣装もすごく綺麗で歌舞伎にこんな一面があったなんてという驚きと共に、現代アートなど色々な部分に精通しているような気がしました。ヘシオドスの話もなかなかグロテスクだったのですが、そういった一面があるからこそ、神秘が生まれるのだと思いました/聖書は何か特別なものだと思っていたので、聖書もヘブライ神話とイエス神話という神話の一つだと聞いて驚きました/ギリシャ、ローマ神話の違いなんですけど…、土地が変わったっていうことですか? 神様の代替りに合わせたんでしょうか?〈授業中に話さなかったっけ?〉/ギリシャ神話は小さい時から興味があって、大辞泉でゼウスから調べて、家族の系図のようなものを作ったりしていた。星座もギリシャ神話からきているんでしたっけ?〈すべてではないけど〉ギリシャ神話の結末が知りたいです〈結末はありません〉。歌舞伎の「鷺娘」は意外と短い気がした。大体あの位の長さなんですか?〈いや、30分くらいあります〉/全然話は変わりますが、訳した人によって本って読み易さが違いますよね。ロードオブザリングの原本〝指輪物語〟を昔読んでいましたが、すっごく読みづらかったのを覚えています。ハリーポッターと比べてしまったのもあるかも知れませんが、訳者の違いに驚きました/明治における言文一致運動の際、その流れに抵抗し、文語体での執筆に固執した作家はいなかったのでしょうか〈たくさん、いました〉/古事記は上、中、下とも読みましたが、神話の性格が一番強い上が僕は好きでした。古事記に語られるエピソードに泥くささ(?)を感じたのですが、ヨーロッパの神話はどういうものなのか今から楽しみです

⑥人文特講 5月23日
各地の神話に似ている部分が見られるという現象は、伝播しているからだと私は考えています(文化人類学の授業でも伝播説、同時発生説について考えました)。先生はどうお考えですか〈両方じゃないかなあ〉/イーリアスやオデュッセイアが書かれた頃、日本ではまだ縄文時代末期で、ギリシャの神話に見られる世界観とは大きくかけ離れていたのではないかと思う。したがって、改めてヨーロッパが歴史的な面において大変発達していたのだと思った〈いやいや、中国、インド、メソポタミア、その他、ヨーロッパよりずっと文明の芽生えが早い〉。/やってはいけないと言われたことをやってしまい、しかもそれをするのは男性だという話は結構あるような気がします。(例えば鶴の恩返しなど)そういう類似も面白いと思いました〈いや、やってはいけないことをするのは女のほうが多いはず。パンドラ、イヴなんかはその典型。おそらく家父長制度社会で生まれた物語は、女性がそういう役を負うようになるからだと思う〉/今日一番印象的だったのはオルフェとエウリュディケの映画でした。「黒いオルフェ」の方はまず最初に見た時に出演者がみな黒人であることに不思議な感じがしました。今までこういう映画は見たことがなかったので/子どもの時にはアニメでオルフェの話を見ました。そのお話では最後エウリュディケは星(星座)になりました。各地に伝わっていて、また子供向けだと残酷さはなくなるのかと感じました/再来週はオイディプス王をやるそうですが、野村万斎が海外公演で行ったものをNHKで放送していたのを見ました/〝黒いオルフェ〟について、あの年代の古い映画というものを見たのは初めてだったので逆に新鮮でした/「エリスの黄金のリンゴ、聖書の知恵の実(リンゴ)」といったリンゴは物語の出発点になりやすいのはどうしてだろう。ナウシカを取り上げた後はスウィフトの「ガリバー旅行記」も取り上げそうな気がしました〈正解〉/先週と今週の講義を通して、神話に対する苦手意識が少しは薄くなったような気がします。現在の小説を読むように楽しめるのではないかと思うようになりました/今日神話の「ナウシカ」が宮崎アニメの「風の谷のナウシカ」の名前のもとになっていると聞きましたが、他にも千と千尋の神隠しで「決して向こう岸に着くまで後ろを向いてはいけない」というセリフがあったのを思い出しました。神話はいつまでもどんな時代になっても、どこか共通するものがあるのではないかと思った/ギリシャ神話は昔に作られた話なのに(〝なのに〟はおかしいけれど)男と女に関して書かれていて、昔から男と女の神秘みたいなものは語られていたんだなと思った。そんなに昔から語られているのにいまだのはっきり定義づけできないのも面白い。小さい頃はそのような話題は恥ずかしいと思っていたけど、今は真剣に考えられるし、昔から続いているから全体にきちんとしたものだというわけではないけど、男と女について考えることは、真面目なことなんだと思った。まとまってなくてごめんなさい/ブラジルでは、ギリシャ神話というのは、日本以上にポピュラーなものなのでしょうか?〈もともと、ラテン系のヨーロッパ人が入っているから〉 舞台や映画にするくらいだからそうだとは思いますが、その地に根付いた宗教や神話でもないにも関わらず、何故人々にそこまで認知されているのでしょうか?〈おもしろいからかな〉/オルフェとエウリュディケはもっと映画が見たかったです。でも混乱しちゃってるんですけど、オルフェの話は男が女を連れ戻して男が前を歩いてて後ろを見ちゃいけないって話なんですか?〈そうです〉/質問―金のリンゴは一番美しい人のものなのだから、トロイアのパレスは、アフロディテと結婚するのではないですか?〈世界で最も美しい……という場合、人間なんかはそもそも勘定にはいっていない〉/黒いオルフェは中学生の時に部活で曲を演奏したことがあったので、やった曲が流れるのかなと思ったけど流れませんでした。ちょっと残念です〈いや、流れたはず〉/質問―「トロイの木馬」は何か祭事的な意味のあるものだったのですか? トロイの人々がわざわざ運んだ理由がどうしてもわかりません〈戦利品として運びこんだらしい〉/オルフェとエウリュディケの所で黒いオルフェの映画を見た時、ギリシャ神話なのに黒人だったので、イメージが違うと思った。なぜ黒人で映画を撮ろうと思ったのだろうか?〈「黒いオルフェ」の原作が、登場人物すべて黒人の芝居だったからです〉/少し前に「ベルサイユのばら」を書いた池田理代子さんの「オルフェウスの窓」を読んだので、ストーリーがのみこみやすかったです/日本でも「百合若大臣」や、イザナギ、イザナミなど似た話が伝わっているということも驚きました。今までは興味がなかったけど、一度色々聞いてみるとどんどん楽しくなってきました。機会があれば他の国の話も聞いてみたいです/オルフェの映画を見たが、これもまた私の精神を熱くするものがあったような気がします/オルフェも内容は前から知っていたけど、それと「黒いオルフェの」映像にギャップがあって不思議な感じがした。マルセル・カミュもブラジル人なんですか?〈フランス人です〉 フランス語ってことは、どうして舞台がブラジルなんだろうと思って見ていました/あと、オルフェ、特に黒いオルフェは自分が想像していた物とは全然違いました。授業が始まる前にかかっていた音楽もオルフェのBGMもすごく気に入りました。オルフェ2000年のバージョンで、オルフェは文化や芸術が分かるって言っていたけど、ほんとそうだなぁと思いました/弓の名人の話は小さい頃どこかで聞いたような気がしていたので、その話がギリシャ神話であった事に驚いた。また〝アキレス〟やトロイの木馬など、聞いたことがある単語が次から次へと出てくるので遠いもののような気がしていたギリシャ神話が実は身近なものであった事を知った。自分で選ばなかったゼウスはちょっとズルイと思う/前回もやったギリシャ神話の話は神々の話ではないようにも思えてきた。この話は人間の本質を書いた物語だと感じたからです。ドロドロした争いは人間に通ずるものがあります。神様というのは人間が作ったものだと感じました/前回、ギリシャ神話の概要を聞き、直接的かつ結構残酷な話だと思った覚えがある。今回イーリアス、オデュッセイアのより深い話を聞き、改めてそう思ったが、それだけではなく、何か非常に人間の根源的な部分を感じ興味を惹かれた。元来、人間というものは、ギリシャ神話の神のように残酷で、自分勝手な部分がある。しかし、それを理性や、死というものの存在ゆえに押さえて生きているのかもしれないと思った/オルフェとエウリュディケと似たような話を星座かその類の話で聞いたことがあるのですが、それはこの話と同じなのでしょうか?〈たぶん〉/トロイ戦争とトロイア戦争は同じですよね?〈はい〉/ギリシャ神話のオデュッセウス(ユリシーズ)と日本の百合若大臣、オルフェとイザナミの話など、そっくりな話が日本にもあることにすごく驚いたし、面白いと思った。なぜ、そっくりな話が存在しているのかという事を詳しく知りたいと思った/人間って悲劇の方が好きなんですかね/大教室になると、どうしても私語が多くなってしまうので、次回からあまりに私語が多い学生は退室してほしいです/オルフェの話は悲劇だと思うのですが、コクトーやカミュはなぜ陽気で明るいイメージのある南米を舞台に選んだのだろうと思いました〈いや、コクトーの映画は南米を舞台にしてない〉/あと、オルフェの話は、どうして映画化した時、ブラジルが舞台になったのか少し不思議だ。現代であの神話をどうやって表しているのかすごく知りたいので、ツタヤに行ってビデオかDVDを借りて見てみようと思った/1つ疑問に思ったのが、神を〝倒す〟というのはどういうことなのかということ。神は死なないのだけれども、それは体がなくなっても生き続けるということなのか、それともそのうちに切られた手足が生えてくるということなのか〈まあ、考えてみてほしい〉/黒いオルフェも冒頭を見たら、その後も見たくなってしまいました。黒人なのにフランス語というのは面白いですね/映画の「オルフェ」に最初びっくりしました。先生が映像を見せる前にフランス映画だとおっしゃっていたので、てっきりフランス人の役者かと思いきや、ブラジルでの話でしかも役者全員がブラジル人だということに驚きました/ギリシャ神話の面白さを今日さらに感じました。必ず男と女の間で何かが起こるというのは、本質的な部分かもしれないし、別の国、地域で同じような物語が存在しているのは、おそらく同時発生だと思います。ギリシャ神話が一冊の本にまとまっていないことが、ギリシャ神話の突拍子のなさを支えているといえるでしょう。オルフェとエウリュディケの映画「黒いオルフェ」も、そのリメイクの「オルフェ」も是非早いうちに観たいです。出演者が皆、黒人だと、衣装や町並みの色がとても鮮やかに映えると気がつきました/オルフェの話、59年版のものも現在のものも見てみたいです。ブラジルの美しい風景や、カーニバルの華やかな場面、先輩でブラジルに卒業旅行に行った人の話を聞いていたのでなおさらです/また『百合若大臣』という題名を初めて聞きました。むしろそっちが見たいです。現行狂言なんですか?〈いや、古典です〉/黒いオルフェがフランス語で撮られていたというのは驚きました〈いや、リオで撮られています〉。/これらの神話は人々にどのような影響を与えたのですか? 民話や昔話のように語り継がれたものなのでしょうか〈もちろんです〉/オルフェとエウリュディケの神話は本当に昔の話なのに何百年たっても映画が作られているというのは、それだけその話に魅力があり、映像にしたいという制作者の欲望を駆りたてるものがあるんだろうなぁと思った/オデュッセイアを元ネタにした「Oh, Brother!」という映画があります。主人公ユリシーズが脱獄し、妻のペニーの元に帰る話で、途中片目の大男に襲われたり、水辺の美女達にダマされたり、仲間がカエルにされたと勘違いしたりと、非常に楽しく、不条理な話でした。それがきっかけでオデュッセイアを読みました〈はいはい、コーエン兄弟の映画ですね。アメリカでは珍しくいい監督だと思います〉/「神」というのは、人間社会に干渉せずに、天から見守るというイメージが強かったけれど、黄金のリンゴを巡って誰が一番美しいか争ったり、挙句には人妻を賞品として与えたり、不死身の体を持っていたアキレスは踵の腱を射ぬかれただけで死んでしまったりと、なかなか自分勝手な神様たちだと感じた。しかし、逆にそれが世の中であるのかと、納得してもいます。それ程感動的ではない所に/黒いオルフェはアントニオ・カルロス・ジョビンの音楽しか聞いていなかったが、映画も見てみたいと思った。黒いオルフェの黒いとは何なのかと思っていたがNEGROの意味だったのかとタイトルを見て分かった。新しい方の映画も見てみたい。個人的にはフランス語の発音が好きなので昔の方が楽しみ。新しい方の映像はブエナ・ビスタ・ソシアルクラブを連想させられた/ギリシャ神話を現代リオを舞台に映画化するというアイディアがとても斬新だと思いました。しかも、ボサノヴァとMIXさせているなんて本当にカッコイイ!95’のディカプリオ主演現代風「ロミオ&ジュリエット」のような感じでしょうか。来週続きを見るのが楽しみです/BC800年頃のお話が今も残っていて、それがとても面白そうということがすごいと思った。すごいというか人類の歴史の長さや遠い昔の人に対する親近感を感じた/「オデュッセイア」は今回初めて知ったので、一度本を読んでみたいと思った。もし他にも何かおすすめのギリシャ神話があったら、ぜひ紹介してください。もっとギリシャ神話に触れていきたいです/トロイア戦争は本当にあったかもしれない話だと言っていましたが、それは、神も本当にいたかもしれないってことですか? それとも戦争のところだけ本当にあった話ですか?〈さて、どうなんだろう〉/オルフェウスが他の女たちに八つ裂きにされた後に、その首をニンフが抱き上げて悲しそうに見つめている絵がとても美しかったのですが誰の作品だったか…アングル?/ギリシャ神話は様々な形で伝わってきているということが実感できる。オルフェの話は私が小さな頃で親しんだ話ではクモの糸に近い感覚を覚えました。神話の話が近代小説になったり、映画になったりと、神話は人々に様々な形で伝わり、ある種の夢や思想を与えているのだと感じました/ギリシャ神話の話とても興味深かったです。また黒いオルフェのオープニングの曲は何か陽水が歌っているような歌声だと思った。ブラジルを題材にした映画を初めて見たけど、テンションや勢いが今まで見てきた映画と違いすごかった/中国から伝わったものはたくさんあるけれど、神話の時代にギリシャから日本に何かを伝えるのは可能なのでしょうか。もし同じ事を別々に考えたなら凄いと思います〈いや、そのへん、意外と伝わっているものらしい〉。人間は根底では皆一緒ということに繋がると思います。そうやってこの世界から差別が無くなればいいのに…と授業内容とは全く関係ないですが考えました/映画では、皆楽しそうに踊っていて、貧しい人も楽しくできることがあるというのはいい事だと思う/ギリシャ神話のお話は人間の本質を抽出したものだとも思いました/ジェイムス・ジョイスの「ユリシーズ」がオデュッセウスを下敷きにしたものと知って驚いた。〝意識の流れ〟という手法に興味が湧き、ジョイスのユリシーズを読んでみようと思ったが、訳が分からなかったので、オデュッセイア?を読んでからユリシーズを読んでみるといいかもしれないと思った/BC800年頃に、これほどの物語が作られていたのはとても驚かされた/トロイは映画を見たけど、もう一度今日習ったことを踏まえて見てみたいと思った。神様の話なのにドロドロしていて今の昼ドラと変わらないなと思った。むしろ神様の方が残酷/神統記を読みました。一度流れを頭に入れると、話が聞き易かったです。イーリアスは読みたいです。「トロイ」って映画やってましたけど神様がごたごたを引き起こす場面も出てくるのかどうか気になります。トロイや戦争が事実だったなら、神様の部分は、人妻をさらってきた人が、それを正当化するために作った話ですよね〈なんともいえないな〉/昨年の映画「トロイ」を観て、トロイア戦争の事に興味を持っていたけれど、原作(?)だと女神同士のケンカの果てがあの戦争になったのかと思うと、いい加減と言うか、とってもコメディーな感じがしていて、面白いものだと思う/映画はファンキーな感じで良かったです。他の国の人に作られるとやっぱり現地の人はヘンな感じがするのだろうなと思います。あと、ボサノヴァの意味を初めて知りました!/結局、パリスとヘレネはどうなったのですか?〈本を読んでみましょう!〉/ジェイムス・ジョイスの「ユリシーズ」って、TVで見たんですけど、色々な技法で書かれてるってやつですよね? 読んでみたいです〈後期に触れる予定です〉

⑦人文特講 6月6日
『ポーギー&ベス』のSummetimeはとても好きな曲です。最後に聴いたキージョのSummertimeに感動しました〈いいよね〉。前回の講義でオルフェにとても興味を持ち、コクトーの『オルフェ』をDVDで観ました。鏡の存在が強調されていて、鏡とは境界であり、また人間の数を増やすという点で(もちろん『オルフェ』の中では減らすという点でも)忌まわしいものです/私たちは普段の生活で触れるニュースや社会の慣習において、紙の上に書かれた罪と罰は意識する事はあっても、自分個人としての成り立ちやその行動の諸々については目を背けることにはたけている。だから前者は時代の変化と共にその形を(表面上であったとしても)変えているが、後者は進歩があまり見られないのでしょうか〈いや、両方とも同じだと思う〉/先々週に、Little Birdsを観に行きました。とても考えさせられる映画でした。私たちはこの戦争を支持して、資金の援助したのだなぁと思うと、やり場のない憤りと悲しさで胸がいっぱいになりました。戦争が始まる前のイラクが、私が1年間留学したマレーシアの町並みにそっくりで、人々が十分幸せそうに暮らしていた映像や、自分でも戦争の大義を感じられないままイラクに留まるアメリカ兵のごまかすような薄笑いがとても印象的でした。観る事ができて良かったと思える映画でした/Jazz, Bluesなどなど黒人音楽がこうも受け入れやすい(しかも琴線に触れるような形で)のは何故なんだろうというのを、ふと考えた。アーティストとして〝魂〟を込めているというのも大きな要因であろうか? 古いレコードなどをどこで買っているのか紹介して欲しい〈ディスク・ユニオンとかまめに回るとよいです〉/オイディプス・コンプレックスでフロイトの心理学が用いられていた事に驚きました。福祉学部の授業でやっていたので、知っていることが出てきて少し嬉しかったです/今日のオイディプス王の話はとても面白かった。フロイトの心理の話も、そうなのかなぁと思って不思議な感じがしたけど、だから嫁姑問題が起こるんだろうなと思った。そう考えると親子の愛って不思議だ。親子の愛って見返りを求めない愛だと思っていたが、無意識の世界ではやっぱり何かを求めているのだろうか/ファンクとか聴いてても思うのですが、黒人は特有の価値観やリズムを持っていて、またそれを作品として表に出すことに秀でているように感じます〈そもそも、「ファンク」という言葉は、黒人の強烈な体臭を表す言葉なわけだしね〉/最後に聴いたライトニングインアボトルのオープニングを歌っていたという女性シンガーの声が強く残っていて、しばらく鳥肌が立っていた。それだけが印象に残った回でした〈アンジェリーク・キージョーです〉/世界の他の地域の神話にしてもよく聞いてみると、すべての物語が「性」と「血のつながり」そして「生と死」をモチーフにして作られたように感じられます。それだけ太古の昔から人々は生命の神秘や誕生の奇跡に大きな関心を寄せていたということでしょうか/中南北の先住民が私たちと同じモンゴロイド系だということを知り驚きました。そして現在、その場所に〝黒人〟の人たちが生活している背景には奴隷の歴史があることを知り、やるせない思いを抱きました/エクソドスより→言葉の使い方によって、一つ一つのセリフに重みが感じられ、情景の生々しさが感じられた。この話の映像化されたものはあるのでしょうか?〈パゾリーニの『アポロンの地獄』とか〉/オイディプスの父殺しと神話の父殺しの共通性を聞いて、「今ある話は全て今まで出た話の焼き直しだ」という説を思い出しました。『父殺しを現代版の話として書くとどうなるんだろう?なかなか面白いんじゃないか』とも思いました/高校時代はサックスではなくクラリネットをやっていました。ガシューインの「ラプソディー・イン・ブルー」を吹奏楽バージョンではありましたが、冒頭のソロの部分をやり、自分にとっては思いでのある曲となりました。他のガシューインの曲は全く知らないのですが、他にもあるならばぜひ聞いてみたいです〈あと、「パリのアメリカ人」とか〉/今まで単語としてしか知らなかったスフィンクスがここで繋がっているって事を知って面白かった。私もオイディプス・コンプレックスってあるんじゃないかなぁと思います。私の夢ではいつも母親は悪役なので…。あと先週の土曜日に友達に誘われて、初めて深夜寄席に行きました。今まで落語は自分の世代のものではないと思っていたけど、なんか漫才を聞いているみたいでとても面白かったです。また行きたいと思いました〈ぜひ!〉/「推理していく内に自分の過去が明らかになっていくという形が世界初の推理小説の内容だったのか」というのが一番印象に残りました。フロイトの考えも「言われてみれば分からなくもない…」と納得させられたところがありました/少し前にNHKで野村まんさい主演のオイディプス王がやっていて見たいと思ったので録画したのだけど、そのまま見ずに消されてしまった。とても残念です。もし授業で見れたら嬉しいです/先週のレポートにも書きましたが私は野村万斎さんが好きなのでこの前NHKで放送された「オイディプス王」を見ました。なので今回を先々週からとても楽しみにしておりました。中でも「オイエィプスコンプレックス」がとても印象的でした。フロイト心理学と文学がこうも重なるかと驚きを感じました。先日、他の授業でフロイト心理学について学び「母を犯し、父を食べる」という言葉を知りました/昔の演劇は悲劇が多く、ハッピーエンドで終わる話はほとんどないそうですね〈いや、そんなことはない。ギリシアでも有名な喜劇はたくさんある〉/オイディプス王の話が世界初の推理小説だという事を知って驚きました。今までエドガ・アラン・ポーが推理小説の始まりだと思っていたので、そんなに昔から推理小説というものが存在していたとは驚きでした〈まあ、近代的な推理小説の父はポーですが〉/あと、昔「サマータイム」という児童小説?を読んだことがあり、その話の中でカギになっていて度々登場した「Summertime」という曲があったのですが、もしかしたらあれは今日聞いた「Summertime」のことだったのかなと思いました。聞けて良かったです〈佐藤多佳子のデビュー作ですね。あれが出たとき、すぐ書評に書いたのでよく覚えています〉/ずっと昔にできた神話が人間の内面を映し出していたなんてすごく不思議に思いました/オイディプス王はラストシーンの辺りだけBS放送で野村万斎のものを見たのですが、血のりが鏡にべっとり付いていて万斎自身も血だらけですごくインパクトがあって衝撃的でした。あと普通の現代劇?というか芝居ではなかなかない、コロスも新鮮でした/今日サマータイムを聞いて、かんで森進一が歌ってたりして!! と思ったら本当に森進一だったのに驚いた!! /台本の一部を実際に見て、シェイクスピア等の作品もそうですが、これだけ説明口調で、一つ一つのセリフが長いと、役者の実力がよっぽどないと難しい作品だろうと思いました。<質問>文学理論として、の下に書かれていたねじの回転というのは、文学作品の名なのでしょうか、それとも心理学用語なのでしょうか?〈ヘンリー・ジェイムズというアメリカ人作家の有名な小説です〉/どんなに外の世界に犯人を求めても見つからない、結局は自分の内にあった、という皮肉は無意識の世界=自分の深い部分に目を向けないことの浅はかさを嘲笑しているように思えました/オイディプス王の物語構成に鳥肌が出るほど感動しました。神のお告げ通りに本当に父を殺してしまっていたし、母だった人との間に子を作ってしまって、とり返しのつかない罪を犯してた、こんな複雑で深い話が神話として残っていることに、古代の人の偉大さを感じました。先生がコピーを配ってくれた本を図書館で探して読みたいと思います/Summertimeはいい曲でした。映画「ライトニング・イン・ア・ボトル」では一番最初に出てきた人が、一番歌が上手いと感じていたので、その人の曲が聞けてよかったです。森進一はかすれた声がジャズに合うんですね/ボサノバはいい。私の父がアントニオ・カルロス・ジャビンが好きでその影響を受け、時々聞いている。ボサノバを聞くと私は夏の朝を思い出し、海に行きたくなる。今日も久しぶりに聞いて海に行きたくなってしまった! 今年の夏は沢山海に行こうと思う/「オイディプスコンプレックス」はそれがもっと日常化したものがマザコンなのかなとも思いました/オイディプスコンプレックスは日本にはあまりあてはまらないらしく、息子も娘も母親に依存していく傾向が強いようです/前回黒いオルフェの曲を知ってると書きましたが、やっぱり私が以前部活で演奏した曲でした。歌詞があんなに切ないとは知らなくて、いいメロディーだとしか思っていませんでした/母親は欲望の対象、父親は制約、抑圧などの対象とありましたが、日本の最近の子供は父親=どうでもいいという考えの方が強いと思います。時代と共に人の無意識の心情も変化してくるのではないでしょうか/創世きのきは紀ではないのですか?記になっていましたが…〈「記」です〉/人文特講は色々な分野での新しい発見(アメリカ大陸を発見した欧州のようだけれど…)がありとても楽しく受けています/オイディプス王の話は本当によく出来ていると思いました。色々な所に結末への伏線が張り巡らせてあって、私が一番「すごい!!」と思ったのは、オイエィプスという名が「足の腫れた者」という意味で、それは木に吊られていて足が腫れたからなんだ!! と分かったところでした/また1つ新たな興味の域が増えました。それは黒人音楽です。特に黒人女性のたくましい歌声に心打たれました。白人や黒人と区別し、比較する事が良いことかは分かりませんが、白人の方々よりも歌声に必死に生きている印象を受けます/一つの曲でこんなにも表情が変わるなんてジャズは奥深いです。でももっと色んな曲を聞きたいし、自分でも歌ってみたいと思いました/オイディプス王の話では、スフィンクスの登場に驚きました。「父親殺し」や「母親殺し」などのキーワードにはぞっとするというか、どきりとするのですが、スフィンクスの存在も昔から何か怖いもので、ギリシャ神話には、そういう作用があるのだなぁと思いました。うまく言えないけど、ものすごく大きなものを見た時の怖さと似ている気がしました/ギリシャ神話とか、聖書の話は結構表現は悪いけどエグいというか何というか、あんまり気持ちがいい話じゃないものが多くて正直苦手です/ヨースタイン・ゴルデルの「カード・ミステリー」が大好きでもう何十回も読んでます。父子がギリシャに出ていった母を連れ戻しに行く途中に父が哲学の話を沢山してくれてデルフォイの神殿でオイディプス王の話も出てきました。ギリシャの悲劇には興味深いものが多いです。この授業を受けるようになって海外の文学作品を読む機会が増えました。最近読みたい本があまりなくて困ってたので楽しくてしかたないです。今はマーク・トウェインが面白いです〈トウェインの『アーサ王宮廷のコネチカット・ヤンキー』は読みましたか?〉/Summertimeの音楽で森進一が歌っていたのとはびっくりでした。私は和田アキ子が歌っていると思いました/人類の移動の話、「Summertime」の話を聞いて世界の人々を非常に近く感じた。様々な事情、各国の思惑によって争い合っている国々であるが、元をたどれば何らかの繋がりのある人間ばかりであるのだと思った。また、「Summertime」の一曲を様々な国の人がプレイ、歌うことで、その魅力が何倍にもなることがわかった。音楽を通じて、心を通わせることで、世界の平和に繋がるような気がする/オイディプス王の話は逆に海辺のカフカでなんとなく知っていたけれどちゃんと聞いてすごいなぁと思いました。スフィンクスの伝説はオイディプス王の中の話だと初めて知りました。昨日見たルーブル美術館展にそのシーンの絵があって、やっとその絵のシーンを理解できました。オイディプス王は蜷川幸雄のをDVDであるけれどまだ見ていないので早く見たいです。最近大竹しのぶのメディアを見たのでギリシャ悲劇は面白いと思いました。でも文学から心理学の仮説を見つけるフロイトがすごいと思いました。でもその仮説を立証するのはすごく難しいと思いました/オイディプス王。話がぐちゃ②です。野村さんのやったのを一度ぜひ見たいと思いました/Summertimeはマイルス・デイビスとチャーリー・パーカーとジャニス・ジョプリンが聞いたことがあったが、カバー曲はとても個性があらわれると思った。名前を忘れたが、ライトニング・イン・ア・ボトルのアフリカの女性シンガーのSummertimeは最も(聞いた中で)個性的だと思った/そして一番思ったことは、今も昔も羊飼いは物語の中で重要な役割を果たしているということだ/オイディプス王と聞くと、ドアーズの「THE END」が思い出される。11分もの長い曲ではあるが、非常にスリリングに「オイディプス王」のテーマが語られている。「THE END」で始まる映画「地獄の黙示録」にも、底流にあるテーマは「オイディプス王」であり、カーツ大佐とウィラード大尉の関係を暗に父と子としている。このように「オイディプス王」を材料にしている作品は多く、今の時代にも形を変えてではあるけれど伝わって来ているのだなと思った/今なんとなく思ったのだけど、源氏物語も何か似てんなぁと思った/去年ゼミでオイディプスコンプレックスについて勉強しました。この理論を基にハムレットを読み解くというのもやりました。確かにこの論が本当かどうか疑わしい気もするのだけど、少なくともハムレットの場合には綺麗に当てはまったように思います

⑧人文特講 6月13日
中沢新一が『宗教入門』で書いていたように、キリスト教はイエスが「神の子」であるがゆえに、コンピューター論理を繰り広げています。〝神の子〟は神なのか人間なのか、どちらでもないのか…その解釈の無限性がキリスト、イスラム、ユダヤの相違を生み、確執を生んで、複雑化は決して無くならないと思います。それぞれのバイブルから繋がりと広がりを読み取ることができる気がします。最後に見た『十戒』は特撮の異質さも、この映画の異質な世界と混ざり合って、怖いけれども不思議に違和感はありまさんでした/神話はテキストとして様々な解釈が可能で、それを考えることはとても面白いことだと思います。また、数多くある神話の共通性を調べることは底無し沼にはまったようにズブズブと底のない無数の解釈(ある意味で妄想)に押しつぶされ沈んで行くことができる興味深い世界であると思います。唯一絶対の連合戦争神YHVHよりも人間くさいギリシャ神話やケルト神話の神々の方が私は好きです。ポリネシアや南米などの神話もまたキリスト教とは(共通項はありますが)異なった世界を持っているので、英米文学理解のためにキリスト教理解とは別に調べてみると面白いものがありました/神は全知全能かという話だが、全知全能ならリリスをつくるような失敗はしなかったのではと思う/質問なんですが、ユダヤ人って他の白人と何が違うのでしょうか?〈これは、人種的なものではなく、宗教的なものです〉 ユダヤ教だって根はキリスト教と同じだし、見た目だって白人で同じなのに…不思議です/よくゴスペルを黒人が教会で歌っている映像を見るが、キリスト教と彼らはどのように関係しているのかよく解りました/基本的なユダヤ教とキリスト教の違いなど恥ずかしながら知らなかったので話に聞き入ってしまいました。私は来夏知り合いを訪ねにイランへ行くのでイスラム教のお話も聞いてみたいと思いました。今日は黒人霊歌を聞きましたが、レイ・チャールズの映画を見て、ゴスペルから彼が詞を付けアレンジしている姿がありました〈そうそう、ゴスペルとソウルは紙一重です〉/少し前にミュージカルで十戒がやっていたような気がします。母と見に行きたいねって言っていたけど結局行けませんでした。でもやっぱり行けば良かったです/私は高校三年の時、合唱祭でアメイズィング・グレイスを歌いました。その時ゴスペルとはとてもきれいな音楽だと思ったのを思い出しました/自分が好きなアーティストにゴスペラーズがいて、よくFMラジオでブラックミュージックという言葉を発するのですが、これはゴスペルから派生しているのですか?〈はい、たぶん〉/アダムとイヴは先生の言うとおり白人だと思っていました。なんでかものすごく白人のイメージです/今日聞いた「ジェリコの戦い」は、昨年中学生の弟が合唱祭で歌っていたので聞いたことがありました。しかし、その時はアカペラで歌っていたし歌詞も日本語だったので、何だか今日聞いたのとイメージが違う感じがしました。黒人霊歌なんだと弟から聞かされていましたが、当時はなんだかよく分からずうなずいていました。今日の授業を聞いて少し理解できました/リリスの存在というのも驚きでした。神がアダムではなく、リリスの方を追い出したということに女性軽視の背景はこんなところにもあったのかと複雑な思いを感じました/今日の講義の中で私がこれまで長い間疑問に思っていたことが解決しました。ハトがオリーブをくわえている姿は、平和のシンボルとしてポスターや雑誌等で時々目にするが、なぜこれが平和のシンボルとして使われているのか不思議だったが、ユダヤ神話の中のノアの箱船の話が由来であることを知り納得した/それにもやはり「川」がキーワードになっていて、「川を渡れば向こうには幸せが待っている、すなわちそれは死である」というのが印象的でした/リリスの存在やハムの話は知りませんでした。リリスは幻想世界の色魔というイメージが強かったので〈確かに、その通りです〉/アダムとイヴの話に家父長制が根本にあるなんて思っていませんでした。アメリカで〝リリス〟を目指そうという動きがある事も初めて知り面白いなぁと思いました/あっ、あとモーセの十戒の話はアニメで見たことがあります! 実写版だとああなるんですね(笑い)面白かったです!/まず、黒人霊歌の迫力に圧倒された。歌というもののパワーの強さを感じた/7日目が休息日になったという話で、そういうような理由があるんだったらカレンダーは日曜始まりではなく、月曜始まりが正しいのではないかと思う〈フランスのカレンダーは月曜日から始まるものが多い〉。今日見た映画は迫力があった。口をぽかーんと開けて見てしまった。「すげーっ」とつぶやいてしまった。ぽかーんすげーだった。これは見なきゃ損だと思った/今回はユダヤ教神話の話で前回、前々回のギリシャ神話同様、ものすごく現実離れしたというか、めちゃめちゃな内容だよなぁと思って聞いていました。ただ、ギリシャ神話は、面白いなぁと思って聞けるのに、ユダヤ神話はそうは思えなかった。どっちも人間や神の醜さが見え隠れする内容だけれど、こんなにもめちゃくちゃな内容のものが宗教の原点であること。差別的内容がこんなにも含まれているものを信仰している現代社会が今あること。少し怖いと感じてしまう。キリスト教の人達とかは、どれくらい割り切っているんだろうか/私は無宗教で「神を信じる」、「神を崇める」といった行為はあまり理解できません。ただ、人々はこういった奇跡を起こせるような大きな力に憧れ、そしてそういう力を起こせる「何か」を作り、共にその「何か」の教えを守るということで集団の秩序を守っていったんだと思います/これまで全く意識していなかった旧約、新約の「約」が約束の約だと知り、目からウロコです。同様に預言書の「預」も、「ヨケン」=「予言」だとしか思っていませんでした/ユダヤ神話と黒人霊歌がこんな所で繋がっていようとは思っていませんでした。アダムとイヴ等、断片的に知っているものにまた新たな知識が加わり、全体としての繋がりが見えてきたように感じます。私事ですが、私は合唱サークルに所属しており「Spirituals」という曲集を歌ったことがあります。黒人奴隷達の辛い現状を脱し、早く神のもとへ行きたいという気持ちがストレートに伝わりました。映画の中で、歌われていた歌は何ですか?Spiritualsと似たものがあるのでしょうか?〈ごめん、そこまでは知らない〉/父が「聖書」や「落語」の本を買っていた中に、先生がおっしゃっていた本があった気がします。さがして通学中に読みたいと思います/知恵の実を食べて追放されたアダムとイヴの話や、火を持ち出して罰を受けたプロメテウスの話を聞くと、最近のテレビや新聞の「ネット叩き」を連想します。神=権力者・権威にとって、下々が力を持つということはいつの時代になっても都合の悪い事なのでしょうね。今日の話を聞く限りでは、ユダヤ教のヤハウエさんは「救う神」というよりも「祟り神」のような感じなのでしょうか/ユダヤ教の選民思想や、キリスト教の国であるアメリカで肌の色による差別があることを考えると、彼らの神はあまり慈悲深くはないのだなと思います/高校生の時に武田泰淳さんが書いたノアの箱舟についての話を授業でやりました。その話は神は苦しんだり悩んだりしないという様な内容で当時勉強した頃は何を言っているのか理解できませんでしたが、今日先生の話を聞いてすごく懐かしくなりました/全く違う大陸にいるユダヤ人と黒人が同じような苦しい状況に立たされているのは、何か悲しい気がしました/以前にどこかで、モーセは神に祈る際にイエスの名を通してではなく自身の名からお願いをしたため力を削がれたという話を聞いたことがあるのですが、イエスが出てきているということはこれは新約聖書のお話なのでしょうか〈そのエピソードは知らないんだけど…〉/Soulはカッコイイヒップホップというイメージがありましたが、実は重い歴史を背負った黒人霊歌がそのルーツでゴスペルを通りSoulにだったということが分かり、複雑な感じがしました/今回の講義で最も興味深かったのは、矛盾点が多数存在するという点でした。例えば、世界をつくった1日目に神は「光あれ」と言ったそうですが、その事は光よりも先に言葉があったことになると思いました。何かそういう所も考えると面白いですね/ユダヤ教の選民の発想はちょっと苦手です。なんとなく疑問なのですが、ユダヤの迫害というのはユダヤ教が選民思想だから始まったのか、それとも迫害されたからユダヤの民がこんな考えを持ったのか、どちらが先なんでしょう? 先生はご存知ですか?〈まず最初に、選民思想ありき、です〉/出エジプト記で、モーセが神に祈りを捧げると川が割れるという話は世界史や倫理で聞いたことがあったけれど、今日実際にその再現を見て私が想像していたものとは少し違ったけれど、迫力があって楽しかった。本当にこんなことがあったのだろうか…? と不思議な気持ちにもなった。今日流れていた黒人霊歌は、なんだか陽気な感じでイメージとは違うものだったけど、ふと口ずさんでしまうような良い曲だと思った。歌詞の意味も分かるようになりたいです!〈黒人霊歌、案外と楽しいリズミカルな曲もあります〉/「ジェリコの戦い」の別のアレンジを、高校の時、合唱部だったので歌ったことがあって、今日久しぶりに聞けて懐かしかった/創世記は途中まで読みました。確かにつまらなかったです。というか、人名が多すぎて飽きました。大体おかしいですよね、あれは…。寿命が四桁超えるのが当り前の世界だったような気がします。ギリシャ神話も家系図が半端なく複雑でしたけど、旧約聖書もすごいです。こんどディズニーで映画化されるナルニア国物語に出てくる悪役の魔女の家系ってたしかリリスの家系だった気がします。ああ、あれか…。と思いました/十戒において「汝殺すなかれ」のも関わらず、その後にエリコの街を乗っ取ったのは!? と疑問を感じましたが、神の為であれば許されるのか…と思いました〈異教徒は別です〉/あと「神の持ち上げられない石」の話は面白かったし、興味深かったです。神は矛盾を超えた存在であるか、そうではないかを証明するのは難しいですが、沢山の人々によって様々に解釈されているので、神の存在自体が曖昧なものであるということは確かです/<質問>カインの子孫がノアなのならば、ノアはやはり呪われているのでしょうか? 末代まで呪われるとなると、聖書の中では大抵の人々が血縁関係だったりするので、多くの人が呪われていることになるのでしょうか?〈もちろんです〉/『デミアン』の中で(小説)カインの印がどうとか言っていたが、カインがアベルを殺して、神の呪いで付けられたのかと知った。もう一度読むと、違った視点で読めそうだと思った。ヘルマンヘッセだったかな…/私が本当に言いたいことはこれである、と言って神様が授けたのがコウランだというのは初めて知った。友人で割と見識のある、色々と外国のことにも詳しい人が、「世界で一番いい宗教はイスラム教なんじゃなかろうか」と言っていたことと一致する/特にユダヤ教とキリスト教がどうして反発しあっているのか知りたいです/しかし、カナンの土地まで40年も放浪したのは何故なのか、モーセは方向音痴だったのか? もしそうならとんでもない指導者だ〈いや、神の罰〉/ユダヤ人というとWWⅡでドイツ人に迫害されたというイメージが大きいです。よくユダヤ人は世界一賢い人種だと聞いたことがあるのですが、それは本当ですか?〈さあ、どうでしょう。有名人はかなりいますが〉/あと悪魔のことで質問ですが、悪魔はアダムとイヴがいなくなってさみしくて、その心からできたと聞いたことがあるんですが、本当ですか!? こういう話好きです〈悪魔に関しては諸説紛々です〉

⑨人文特講 6月20日
主人公(アーサー)が、実の父親を知らずに育つところや実の姉と、知らないまま関係を持ってしまう辺りから、私はちょっとオイディプス王の話を思い出しました。肉親と関係を持って子供ができるだけでも私からすると結構ショッキングな展開なのですが、さらにその子供がアーサーの奥さん(つまり義理の母?)を狙っているという設定が凄すぎると思いました。神話とか伝説的な話の恋愛は、何だか血縁内の関係が多い気がするのは気のせいでしょうか?(兄弟内とか親子とか)それからここでも父殺しが出てきましたが、私の中のイメージとして、父殺しは「主人公が父親を殺す」もので、父を超えることが、暗に一人の男としての成長する成人儀礼のようなものを示しているのかと思っていたので、「主人公(父)が息子に殺される」というのは一体どういう意味なのか、それとも具体的な意味など特にないのかと考えてしまいました〈そのへん考えると面白いと思う〉/ユダヤ人が世界各地に散った時に、そのままうまく他民族と溶け込んでいたら対立も起きていなかったと考えると、とても残念に思う。計算するとそれから1700年以上も経つ/アーサー王は実在したのかという話に絡んで、アイルランドかイギリスか忘れてしまったのですが、ある所から棺が見つかり、中には身長2メートルを越える男性の遺骨と全く錆びてない剣が入っていたという話をTVでやっていました。なかなか興味深い話ではあります〈グラストンベリという街で発見されたという話です〉/どうして、物語は三角関係や父親殺しが多いのか疑問です。やはり話が面白くなるからなのですか? ハッピーエンドで終わる話はあるんですか?〈もちろんあります〉/〝ヴェニスの商人〟の話が面白かったです。前々から話は知っていましたが、改めて聞くとその発想力に驚かされます。あと、演出方法の違いの話も興味深かったです/昨日は父の日でした。でもやっぱり中世でも父親殺しが出てくるんですね/不倫での恋愛が中世の人々に好まれていたとは驚きでした。現在、そのような物語、ドラマはたくさんあるので、最近になって世の中に出てくるようになったのだとばかり思っていました/ユダヤ教の旧約聖書を漫画にしたものを何ヶ月か前に読んだことがあって、とても面白くて分かりやすかったのですが、今日思い出そうとしたらすっかり忘れていて、出エジプト記についても何も出てこなかったのがショックでした。今日の話では、マルタ島のユダヤ人やヴェニスの商人の中で描かれた、当時のユダヤ人像の話が面白かったです。そりゃ怒るだろうな~って感じでした。(笑)/アロハシャツが3つの国が融合していることを知って、普段何気なく使っているものにも歴史があるんだなあと思いました/ヴェニスの商人は、法律の授業で裁判の例として習ったことがありました。その時私は、シャイロックに対して、野蛮でずるく、いやなイメージを持ってしまいましたが、今日の授業でそれはキリスト教が抱くユダヤ人像であったことに気付かされました/今日紹介された「ライディング・ジャイアンツ」は絶対に見ようと思います。あの紹介のビデオだけで本当に感動して鳥肌が立ちました/私はハンバーガー屋さんでバイトをしていて、いつもユダヤ教の人が買いに来ます。その人は毎回絶対チーズなしで! とお願いするのですが、一度だけ間違えてハンバーガーを作る人がチーズを入れてしまったことがあります。その人は物凄い勢いで怒っていて神様が~! などと叫んでいました。その理由が今日分かりました。ユダヤ人にとっては神様の存在は私たちが考える以上に大きいのだと実感しました/「ヴェニスの商人」は中学頃に学生芝居を見ました! 私が見た時は、ユダヤ人の商人は相当悪役でした! 私の中ではユダヤ人は頭がよくて、それゆえに迫害されてしまった人種だと思っていたのであそこまで悪役になっていたことはかなりの驚きでした/ユダヤ教は金貸しが許されていて、キリスト教は金貸しが禁止されている理由は何なんでしょうか〈なんでしょうね。いまではキリスト教徒も銀行に勤めているし〉/イギリスには神話がないということを聞き、文化的に発展しているという意識もあり、結構びっくりしました。でも言われてみればそうだなぁと思いました〈しょせん、田舎の島国です〉/近親の間で出来た子供は、奇形になるか、親より優秀な才能を持って生まれることがあるらしいが、このことは親殺しに向かうことと関係があるのでしょうか。物語の中で暗示されているように感じました/私が中学生の頃に読んだアーサー王物語では、折れたはずのエクスカリバーがいつの間にか元に戻っていたり、ランスロットの登場以降どんどん扱いが悪くなっていくアーサー王や、妙に美しく描かれるランスロットと王妃との不倫など、何か変な物語だなと思いながら読んだ記憶があります/中世の物語になると、話の内容が神話よりも現実感があって私は好きだと思った/日本文学でも純愛ではない形の恋愛はありましたが(源氏物語とか…)、イギリスでも同じように少し変わった愛の物語は古くからあったのですね。しかし、騎士と既婚女性の結ばれない恋の話で、ラストは息子の父親殺し…/サーフィンの映像、すごい迫力でした。海がきれいで羨ましかったです(湘南の海は汚いです…)/私は地方から出てきて、東京=都会だと思っていたので多摩キャンパスに来た時は、実家と同じくらい田舎ですこしガックリしたけれど、今日の話にもあったように、1時間で色々なものに触れることのできる場所に行くことができるのだから、これからの四年間でたくさんのものに触れていきたいと思いました/アーサー王かユダヤ人をサーフィンにどうやって繋げるんだろうと思ってたら、関係なかったんですね。そういう方が気楽で嬉しいです/アーサー王の話の第二部に出てきた聖杯は結局見つからなかったんですよね? だから国が崩壊してしまったということですよね〈いや、見つかるには見つかるんだけど、見つけた騎士は聖杯とともに消えてしまう〉/今日のサーファーの人達を見ていてどうして命を懸けてまでその波に乗りたいんだろうと思った。それほど何かにかけてみたいと思えるものを見つけることはすごいし羨ましいけど、なんだか切なくなった/聖杯伝説について論じられている「祭祀からロマンスへ」という本によると、漁夫王の物語は聖杯探求の話に大いに関係があるようだ。何度か出してくるが、映画「地獄の黙示録」でも、ウィラードと共に船に乗っているクルーの中で生き残るのは「ランス」だけであり、ラストは船に乗ってどこへ行くかも分からず、ただ暗闇の中へと進んでいくだけである。「スターウォーズ」はルーカスなりのベトナム戦争映画であり、ルーカスが「地獄の黙示録」の監督を拒否して作り上げた作品である。正義の帝国アメリカが否定されダークサイドになってしまった点はダースベーダーが悪になってしまったことに繋がっている/ユダヤ人のシャイロックだけど、それが差別だとか言うんだったら、ユダヤ人っていう設定を取り払ったらいいんじゃないかなぁ!? と思います。どうして元々シェークスピアはシャイロックをユダヤ人として設定したのか。彼もキリスト教だったからでしょうか。それが疑問です〈当時のユダヤ人観がそのまま出ているだけです〉/先生!「流行通信」(今月号)に文章載せられましたか?(違っていたらごめんなさい)私、「流行通信」が本当好きで(働きたいくらい)なのでもし先生なら…コウフンものです!!〈もう五年くらい前から、あそこに毎月、書評を書いてます〉 /最初の「ライディング ジャイアント」(?)は予告だけでも圧巻だった。あの波を見たら、やっぱりどんなCGも特撮も本物にはかなわないって思った/後に経済学者の人の「ヴェニスの商人の資本論」というものを読んで、その奥深さを知りました。また今回、講義でユダヤ人の民族的な宿命のようなものを改めて感じました/中世は一見華やかそうな時代に思えて、実はアーサー王を取り巻く複雑な人間関係や権力争いがあったりして、昼ドラ以上にドロドロとした世界なんだなぁと改めて感じました/高校の時、世界史をとっていて、しかも大好きだったので、今日の話はすごくなつかしかったし、面白かったです!! 特に私は古代~中世のヨーロッパ史が本気で好きで、めちゃくちゃ勉強したので、今日は色々思い出しました/『アーサー王物語』もそうですが、なぜ父を殺すストーリー展開になるのか不思議です。神話には、人間の根本の部分が示されてはいると思うけれど、父を殺すこともその中に入るのかと思うと疑問です/夏はスターウォーズと十戒と恋に落ちたシェークスピアと王様の剣の四本立てで見たいと思います/ライディング・ジャイアンツがめちゃくちゃ面白そうでした。虹が出た部分は見ていてちょっと鳥肌が立ちました。ぜひ見たいです/アラブ系、白人系、黒人系などいろいろなユダヤが存在するということは、人種としてはユダヤ人ではなく、ユダヤ教でまとまっている団体ということで理解していいのでしょうか?〈そうです〉/落語のことになるのですが、立川談志氏の「現代落語論」を読みました。談志さんの落語に対する深い愛情が伝わりました〈口は悪いけど、いい人なんだろうと思う〉

⑩人文特講 6月27日
『蜘蛛巣城』を見て思ったのは、ひたすら武士が矢に刺さる場面がありましたが、これはチャン・イーモウ監督の『HERO』の一部の場面に似ていると思いました。『HERO』の美術と衣装は確か黒沢作品も手がけたことがあるワダエミだったので『HERO』はもしかしたら『蜘蛛巣城』の影響を多少は受けているのかもしれないと思いました/森が動くシーン、あれは武士達が木を持っていたのでしょうか?〈そうです〉/最後の黒沢の映画がすごく怖かった。これがシェイクスピアの脚本だとは思えない。すごい日本的だと思う/奥方が「狂う」シーンには不気味な恐ろしさを、森が動くシーンには胸底へ響くような迫力と恐怖を感じました。とても50年前に作られた映画とは思えません。「黒沢は凄い」ということをよく耳にしますが、その凄さの一端を一瞬でも感じることができた気がします/今ではたとえば「バトルロワイアル」とか問題作として言われましたが、シェイクスピアって、殺人が多すぎじゃないですか!? 当時はそういう風潮があったんですか? 王とか〈まだまだ、あんなのは序の口で、「タイタス・アンドロニカス」なんか、あの10倍以上すごい〉/昨日レンタルビデオ屋で借りてマクベスを見たところでした。ロマン・ポランスキーの映画かどうかは分からないけれど、かなり中世っぽさが出ていました。魔女の登場シーンから始まって不気味さが存分に表れていました/シェイクスピア作品は裏切りとか野心が多い気がした。やっぱりそれは時代背景から?? /歌舞伎座でやる「十二夜」を見てみたいとすごく思いました。蜷川さんが演出をしたり渡辺えり子が脚本を書いたり、他にもたくさん試みてて、最近の歌舞伎はおもしろいなぁと思います/四大悲劇が描かれた頃というとイギリスが世界に進出して近代化が始まる頃だと思うのですけれど、時代に関わらず、人間の権力欲とか、善とか悪とかとても普遍的なものだと思います。シェイクスピアが作品を描いていた頃は、エリザベス女王の絶対王政下ですが『マクベス』などの家来の貴族が王を殺してしまうというような作品を描いても何のお咎めがなかったのでしょうか?〈最後は報いを受けるからね〉 またシェイクスピアは当時イギリス以外のヨーロッパでも有名だったのでしょうか?〈国によって、受け取り方が少しずつ違うようで、ロシア、ドイツ、日本あたりは好きなんだと思う〉/前回の授業で「ヴェニスの商人」のあらすじを聞いた時に、何故かしっくりこなかった理由が今日分かりました。やっぱり私の中ではシェイクスピアと言えば、悲劇というイメージが強かったので、あのハッピーエンドがピンとこなかったのだと思います/黒沢氏の作品は悲劇…というよりも恐怖のイメージが強かったです/蜘蛛巣城とても面白いです。これが50年も前の映画とは思えなかった。現在やっている映画よりレベルも高いし、見る価値が十分あり。さすがは黒沢明だなと思った/「マラソン」超観たくなってしまいました。(笑)今年の夏これだけは観ようと思います/「くものす城」を見てて、ユーモアあふれるものだと思った。(特に弓から逃げるところが)。黒沢明の映画を初めて観たけど、もう一度観たいと思いました/この前初めて黒沢明の作品を見ました。それは『七人の侍』です。見終った後の感想はこれはやばいなという感じです。なんか今の日本映画を見ているような感じで、そしてどっかで見たことのある感じがした。きっと黒沢映画は他の作品に大きな影響を与えていたんだと思いました。そんな彼の作品にシェイクスピアの作品があると聞いたら見ないわけにはいきません。見ようと思います/ちなみに1616年といえば、徳川家康が死んだ年と同じだ/マクベスがだんだんと開き直っていくのが恐ろしいなあと思うと共に、シェイクスピアは人間の汚い真理のようなものも描き出しているのだなあと思いました/私がマクベスを見て思ったのは、魔女の予言がなければおそらくマクベスは王を殺して自分が王になろうなどと考えなかったはずで、人間の権力に対する弱さやそれを言えば影で操る魔女が何を意味するのかなあ…ということでした〈なかなかいいところに目がいっているなあ〉。今日の授業を踏まえた上で、もう一度自分でも映画と本を見直してレポートにのぞもうと思います/「マラソン」は予告編だけでも泣きそうになってしまいました。私は自閉症についても興味があるので、絶対見に行きます/「絶望して死ね」さらっとしか出てこなかったが、『リチャード3世』のこのセリフが私は何となく好きだ/喜劇のおすすめはヴェニスの商人でしょうか?〈いや、個人的には「十二夜」「夏の夜の夢」あたりかな〉/手書きのプリントは「森鴎外」が書いたのだと知りすごく驚いた。昔の人というイメージがあるから、今そのコピーがここにあるということがすごいと思う。昔の人が書く文章は面白くないと思っていたが、全然面白くて自分の持っていた印象とのギャップに驚いた/四大悲劇にロミオとジュリエットが入っていないのには少し驚いたけれど、私は高校の文化祭でロミオとジュリエットを演劇でやったので、原作を読んでみたいです/前回の授業の後、ハムレットを初めて読みました。シェイクスピアは戯曲ということで敬遠していたのですが、思いのほか面白くてさくさく読めました。今日のマクベスの話を聞いて、これも面白そうなので読みたいと思いました/日本ではやはり蜷川の演出が一番秀作なのでしょうか?〈いや、そんなことありません。ただ、ぼくが好きなのと、あと、説明しやすい〉/私はこの人文特講の宿題をロミオとジュリエットにしようと思っていますが、宿題に関係なく、ジェイクスピラーシリーズは全部見てみたいと思った/『シェイクスピアを盗め』は読みました。面白かったです。映画『ロミオとジュリエット』も見ました。若くて思慮の浅い二人の熱い愛が暑かったです/あの城自体が大きな蜘蛛の巣でマクベスはこの主であるはずなのに、ラストのシーンでは逆にその巣に迷い込んだバッタか何かに見えました。そして矢で包囲され、動きが封じ込められていく様が、まさに蜘蛛の糸っぽかったです。ラストのラスト、マクベスが首に矢を射られ、よたよたと歩きバタっと倒れるシーンの後、回りの兵士達がザァーっと後に引きますよね。あそこはもう蜘蛛の子が散っていくようなイメージとシンクロしました〈面白いイメージだなあ。気がつかなかった〉。もう少し先生の解説を映画を見た後に聞きたかったです/私は先生おススメの「十二夜」歌舞伎版がすごく観たくなりましたよ!/黒沢監督の演出によるマクベスはもはやシェイクスピア作品ではなく、立派な黒沢作品だと感じました。チャプター1つ分しか見ていないのに、黒沢明だからこそ作り上げられる雰囲気や作品の世界観が随所に見られました。森が動くのを目のあたりにした主人公の恐怖が、何度も窓をのぞき込む内にその表情に浮かんでくるところや、単調なBGMによく表れていると思います/森が動く(兵が森の木を切ってそれに隠れて近づいている)シーンも、ポランスキー版より大規模だったと思うのですが、こっちの方が20年前に作られたとは驚きです/シェイクスピアの作品は『ロミオとジュリエット』と『ハムレット』を読んだことがあります。どちらもとても悲劇的で、かわいそうな主人公で同情してしまいます。今流行っている韓流ドラマとかぶる点が多いと思います。韓流ドラマは主役の二人がすごく愛し合っているのに、障害が大きくすれ違ってしまいます。ただラストはシェイクスピアと違い幸せに終わります/でも血生臭いのに、霧のシーンと地謡がカブって、幻想的なラストでした/おととい、先生が推薦していたコクーン歌舞伎「桜姫」を観てきました。初めての歌舞伎だったのですが、すごく感動しました。舞台はセリフづかいは昔の言葉でよく分からなかったのですが、それでも演出、立ち振る舞いなどで十分迫力が伝わり、楽しめました。ラストの桜のセットは素晴らしかったです/シェイクスピアにしてもスターウォーズにしても「予言」っていい結果をもたらさない展開が多い気がする/今、私は「ヴェニスの商人」を読んでいる。一つ一つの言葉が大切にされててすごく楽しい。今まで読んだことのないジャンルの本だった。今のところ、一番好きなのは「お喋りが過ぎました、それも、時の歩みに錘をつけ、それをおさえ、出来るだけ遅くして、あなたの箱選びを先へ延ばしたい一心なのでございます」というところだ。とても詩的で良い。先生は、「私の愛は海より深く…」というセリフがあるシェイクスピアの作品の名前は分かりますか?「シェイクスピア作品の名言集」という本で見て、とても好きになったのですが、作品名を忘れてしまったので〈「リア王」です〉/現在やっているようなハムレットとかは、やっぱり短く縮めているんですか?〈そのままやることもあるし、カットする場合もあります〉/オイディプスでも予言が物語りのカギになっているが、予言から逃れようとする者、その予言を実現させるべく、その予言を受け入れる者と、オイディプス、マクベスを比較してみるが、それでも結局「予言」を知ることも、あらかじめ両者の人生には運命として組み込まれた一部なのかもしれないと思う。結局は「予言」という限られた人のみが手にした奇跡的な情報を得ることは一見自分の運命を手にしたごとくに思えるが、本当はその情報を得ることも決まっていたのかなぁと、人間の力のはかなさをすこし感じてしまった/少し前までは『シェイクスピア』というのが作品の名前だと思っていました…/感想としては、ロミオとジュリエットのような周囲からの悲劇というよりも、内からの悲劇という感じがしました/最初は夫人の方が恐ろしい人物だと感じたけれど、マクベスがどんどん変わっていってしまう様子は少ししか読んでいないのに伝わってきてすごいと感じました/高校の時、演劇鑑賞会で、劇団の人達が十二夜を少し変えた十五夜というのをやってとても面白かったので、十二夜も読んでみたいです

⑪人文特講 7月4日
シェイクスピア、蜷川とくれば7月歌舞伎十二夜ですね。菊之助がどう見せてくれるか歌舞伎座でどこまで演出できるか…非常に楽しみです。なんせコクーン桜姫は肩すかしだったので…/次回からは近代文学ということで、先生が翻訳された(バーティミアスetc.)の話も聞きたいと思っているので、機会があったらよろしくお願いします/手塚治、黒沢明もそうだが、古典の引用が非常にうまい。手塚治を読んでいると、至るところで、神話ないし伝説へのオマージュに近いものを読み取ることができる。これらの引用によって物語りに一味加わるというのか、深みが生まれている。換骨奪胎だと考えるのでなく、それを踏まえてさらなるオリジナリティを生み出しているところは、やはり素晴らしいと思う/「ローゼンクランツとギルデンスターン~」の映画が面白そうでいつか見てみたいと思いました。あとハムレットの年が35、6歳なのには驚きました。映画「HAMLET(1996)」を見た時、ケネス・グラナーがひげを生やしてハムレット役をやっていたのを見て、「老けてる…」とショックを受けましたが、あれが本当だったんですね。でも確かにあのように狂人を演じ切り、恋人にまでそれを信じ込ませるというような徹底ぶりを見ると、その位年をとってないとやってのけられないかもと妙に納得しました。それからジュリエットが13歳というのも衝撃でした。私が思っている〝13歳〟は「まだまだ子供」なのに、ジュリエットはその歳でもうすでに命がけの恋をしていたなんてすごいと思いました。恋愛に年はかんけいないのかぁと改めて思いました/マクベスを歌舞伎バージョンで見て驚くことが多かった。異国の作品を日本風にすることに少し違和感を覚えていたが、実際見てみるととても美しく日本らしさはあるものの、日本と外国の中性的でありながら、全く新しい物のように見え、新鮮でした/今日の講義でいんしょうてきだったことは3点程あります。まず、一点目は「歌舞伎教室」です。私はまだ1度も伝統芸能を生で見たことがありません。先生のお話を聞いて、それは見やすいと思ったので機会があったら訪れてみたいです。そして2点目は蜷川さんのマクベスですが、演出方法が凝っていると率直に感じました。大劇場と観客の距離を縮めるために、何か良い案はないのかと私も考えてしまいました。そして最後に、黒沢監督もそうですが、ストーリーが文学作品を下敷きにしていることが多いのを実感しました/私はハムレットというと、50~60代の脂ののりきった役者がやるイメージがあったので、35というのはむしろ若い印象を受けました。日本だと、一番若い20才当時の藤原竜也だった気がするので、あまり若いイメージはありませんでした/ディカプリオ版は近代的にしてあるので、服装とかも自分たちが今着ているものと同じようなものを着ているので馴染み深いけど、逆にジュリエットの「なぜあなたはロミオなの?」とかいうセリフがすごく浮いちゃっているような気がします/シェイクスピアの魅力は台詞だと私は考えます。多分、現代のドラマなどで言うと、すごくくさい台詞なのにシェイクスピアの映画(舞台)ではどうしてこうも素敵なのでしょう。映像美も大切ですが、文字にした時の美しさもとても大事です。そういった点で先生にも是非、エミリ・ブロンテの「嵐が丘」の原作を読んでいただきたいです。台詞がかなり良いです〈後期、やります……が朗読するかなあ……?〉/父親の七霊が出てくる時に真相は話したと思いますが、復讐まで頼んだのでしょうか〈頼んでます〉/シェイクスピアのレポートということで、十二夜とオセローを読みました。十二夜はギャグがたくさん入っていて読んでいてとても気持ち良かったのですが、オセローは読めば読むほど、うつになりました。ニナガワ十二夜見に行くことにしました。既に予約がいっぱいで、20日になってしまったので、レポートには間に合いませんが…。しかも一番後の席ですが…。今からとても楽しみです!とするとレポートはオセローです。ちょっとうつ気味です(笑)/シェイクスピアの作品は様々なメディアでの作品にオマージュとして、あるいはその一部分がそのまま使われていたのだと知りました。今までは原作を知らなかったので、気付かなかったのですが、改めてシェイクスピアという人間の影響の大きさを知りました/シェイクスピアはとても有名ではありますが、昔の人だと何となくとっつきにくいような感じがしていて読んだことはありませんでした。読んでいて恥ずかしくなってしまうような詩ばかりのイメージでしたが、今回シェイクスピアというものをみて、実は現在に通じる人の心を描いているのだなということが分かりました。ストーリーも二重三重の伏線があり、面白かったです/ディカプリオ版はすごく現代風にアレンジしてあって、それも見やすいのだけど、ホワイティング版のは古典的なのに現代と同じような美しさがあろ。そこが好きだ。主演の二人も美男美女でホレボレしてしまう/今はアニメまで韓流にのっているんですね。イ・ビョンホンは母が大ファンです/ジュリエットは13歳というのは僕も昨日本を読んでいて知ったのですが、驚きました。両家はどうしてあんなに憎しみあっていたのでしょうか。使用人たちが街で会えばすぐケンカになっていました。あまりにも激しいので、どうしてそういうことになったのかとても知りたいと思います/辞書にも「ハムレット型」という言葉があり、物事を決める際にあれこれ考えて、なかなか決めることのできない人物を指すという意味で用いられていました/何回も書いて、しつこいくらいで申し訳ないのですが、できれば前に先生が言っていたスターウォーズの話も聞きたいです〈じゃ、来週〉/ロミオのジュリエットに対する気持ちを読むと、「なぜあれほどロラザインにひかれていたのに、こんなにあっさりと心が変わってしまったのだろう…。」と思った。物語を読み終わるともはやロザラインの存在など忘れかけていたほど、ロミオのジュリエットに対する想いが詳細にそしてロマンティックに描かれているのだと思う/先生が配ったプリントのP.65でのジュリエットの台詞が、現代人の感覚に近い、個人主義的なものだったので、当時にもそのような考えを持ってる人がいるんだと感じました/ラストは運命のいたずらから悲劇を生み、少し後味の悪いものですよね。何で手紙をもっと早く届けてくれなかったのか?馬を引いて歩くなら馬に乗れ!と思ってしまいました(笑)/2年程前に、高校の音楽部が「ウエストサイドストーリー」を劇でやっているのを見て、とても面白いと思っていましたが、「ロミオとジュリエット」が元になっているとは思ってもいませんでした/授業の初めの韓国アニメーションの紹介で、韓国アニメーションが世界的に評価されてきているんだなぁと思いました。私は俗にいうジャパニメーションとかよりも(日本だったら山村浩二とかは好きですが…)ユーロアニメーションが好きなのですが、アジアのアニメーションも少し興味があるので是非見に行こうと思います/「ロミオとジュリエット」は中学生の頃にディカプリオ版で見た。アロハシャツのロミオの冒頭部の恋に悩む台詞はあまりに不自然で、強烈な印象でした。恋するロミオの台詞はランボーの詩に似ていると思う。あまくてけだるい/「マリといた夏」は韓国のアニメーション映画ということで、大変興味が沸きました。四天王のイ・ビョンホンが初声優をつとめるので、私の母も喜びそうです/色んな人がシェイクスピアの作品を映画や芝居にしているけど、さすがに悲劇的結末を変えようって人はいないんですね〈いや、イギリスでもヴィクトリア朝、シェイクスピアの戯曲は受難の時代で、『リア王』とかハッピーエンドにして上演されたらしい〉/蜷川さんの演出は先生の話を聞いているだけでもおもしろそう。確か前に見たことのあるエレクトラも蜷川さんだったはず…。かなりおもしろかった〈大竹しのぶのやつかな〉/高校の現代文で習った芥川龍之介の作品もシェイクスピアか何かの作品をモチーフにしていた気がするのですが…羅生門…?だったと思います〈それ、ちがうと思う〉/ディカプリオ版のロミオとジュリエットが水槽越しに見詰め合い、恋に落ちるシーンが好きです〈あの演出もすばらしい〉/あと、「あなたはどうしてロミオ?」や、「バラと呼んでいる花を別の名前にしてみても、美しい香りはそのまま」など、本を読んでいなくても、誰でも知っている台詞がたくさんあるのはやっぱりシェイクスピアはすごいなと思いました/シェイクスピアは今回レポートのために読んでみて、改めてすごいと思った。話がよく出来ている。いろんな人の心が複雑に絡み合っている/ジュリエットが十三歳だということにびっくりしましたが、そうするとロミオはいくつなのですか?〈さあ、原作には出てこないから、50歳であってもOKなんだろうな、きっと〉/ロミオとジュリエットが見詰め合うところで、他の俳優が唄っていた歌はけっこういろいろなところで耳にする曲だったので、ロミオとジュリエットで使われていた曲だと知って驚いた/蜷川マクベスを見て思ったのは、はじめから「仏壇」や鐘の音など純和風な雰囲気が漂っているのに、マクベスの設定は全然変わってなくて「コーダー」とか「マクベス」とかカタカナの名前だったりするところが面白いなぁ…と思いました。アーサー王とスターウォーズの関係がものすごく!!気になっています……。次回は話してくれますか??お願いします!!!/名作とされている作品だけにとっつきにくいようなイメージもあったのですが、こうしてシェイクスピアの作品を追っていくと、誰にもわかりやすく、人間の根源的な感情が描写されているものが多く、とても普遍的な作品なのだと思いました/「リア王」はまだ途中だけど、道化の存在がどんどんリア王を狂気の世界に導く案内人のような感じで面白い/蜷川マクベスか黒沢明の映画では、日本が舞台になっていて、しかも、戦国時代まで、シェイクスピアのイメージが変わっていきました。二つの映像ともお化け屋敷のようなおどろおどろしいかんじで、独特の雰囲気を出しているなぁと思いました/ロミオとジュリエットの68年ホワイティング版のジュリエット役のオリビア・ハッセーがとてもかわいいと思いました。先日ニュースで「マザー・テレサ」の映画でPRのために来日している様子を見たばかりだったので、偶然ですが、なんかおもしろいと感じました/余談ですが、ハムレットの年齢に驚きました。「ひざをさわる」という描写があったのでイメージと違うと思っていたのですが年齢を聞いて納得しました/リア王について。似た話を読んだ事があります。王が三人の娘に「どれ程私のことを愛しているか申してみよ」と言い、上の娘は「甘い砂糖と同じくらい」真ん中の娘は「綺麗なドレスと同じくらい」末の娘は「塩と同じくらい。どんな料理も塩がなくては味付けが出来ません。」と答えます。下の娘の発言に怒った王は「お前の愛はそんなものか。ならばお前には塩をくれてやる。出ていけ」と、袋いっぱいの塩を背負わせ、城から追い出してしまいます。もしかしてリア王が源流なのかと思いました〈どちらが先なんだろう〉/前にウェストサイドストーリーを見たが、同じようなストーリーなのに、今日先生の話を聞くまで全く別物だと思っていた。よく考えればトニー(?)がマンションの下から話しかける場面があったな。と思った/日本に場所を移して設定を変えたものも、演出方法を変えたものも視点が変わって新鮮な驚きが味わえて楽しいけれど、古典の雰囲気をそのまま描き出したものの方が奥が深く、切なさや愛情や憎しみといった感情をより訴えかけられる気がしました/シェイクスピアがまるっきりリア王やマクベスなどの話を作っていたと思ったら、もともとあった伝説などを元にしていると聞いてシェイクスピアがそんなに天才級でもないんだなと感じました。シェイクスピア=すごい人みたいなイメージが私の中であるのだけれど彼は凄い人ではなくてうまい人なんだなと思いました〈いや、もとになる話なんかは、ごろごろ転がっているわけで、それをいい作品に仕立て上げるのが難しいんだと思う〉/「ロミオとジュリエット」、自分は苦手だなと思った。なんでいきなりあの展開になるんだろう。あれをロマンチックといって楽しむものなのかもしれないが、興味が湧かなかった/R&Jの「ああロミオ…」「ああジュリエット…」というところのセリフは、昔から何となく耳に入っていて、どういう話なんだろうとずっと疑問に思っていました/今、ロミオとジュリエットを読んでいる最中なのですが、洒落が続き、また比喩的な文章の連続で少し戸惑っていますが、映画を見て演者の芝居に触れると、背景が浮かび上がってくるように感じました。自分自身の今持っている感情を対人と洒落を交えて、かつ適語で述べるシェイクスピアの表現力にとても刺激を受けました/映画では原作通りの台詞を全て言っていたわけではないけれど、当時はあのまどろっこしい台詞を全部言ってたんだろうか。覚えていたなら本当にすごい記憶力だし、聞く方もすごい理解力だと思う。プロンプとかつけてやってたのか…。それともああいう言葉使いは日常で当り前のものだったのか〈いや、あれは芝居での台詞。江戸時代、みんなが歌舞伎調の話し方をしていたわけではない。ただ、芝居では今でも昔でも、あの台詞、すべて役者は覚えて演じます。当然です。その程度のことに驚いていてはいけない〉/1948年作の「ハムレット」を見ました。映画です。先生がおっしゃっていたロスとギルはこの映画には全く出てきません。省かれてしまったようです…/蜷川マクベスがとても綺麗で圧倒されました。桜が全編通して使われているというのも素敵だと思いました。彼の客席に雪を降らせたというエピソードも気に入りました。それから、歌舞伎教室というものがあるのも初めて知ったので、行ってみたいと思いました。確かに安くて驚きです。でもそれ以上に驚いたのはジュリエットとハムレットの年齢です/映画を観ると面白いですが、原作を読んでも私にはあまり面白さが分かりませんでした/最初に紹介してくださった「マリといた夏」宮崎アニメ好きの私には、とても興味があり、ぜひ見に行きたい/リア王が嵐の中を半狂乱で歩き回るシーンで、私の読んだ本には変装したケント伯がいたのですが、場合によってはカットされるものなのでしょうか?〈あ、ごめん。その通りです〉/前回今回とシェイクスピアの作品を実際に見て、特に印象的だったのが台詞の表現の豊かさです。今回の「ロミオとジュリエット」では特に際立っていたように感じます/昔、ロミオとジュリエット初めてビデオで見た時は、オリビア・ハッセーはなんてかわいくて、セクシーなんだろうと思いましたが、今見てみるとそのあどけなさや幼さが際立って、この後に続く悲劇のことを考えると、切ない程、気の毒になってしまいました。ウエストサイド・ストーリーは舞台は見たことがないですが、映画のビデオは何度も何度も見ました。歌やダンスがとても素敵で、私の中では、これぞミュージカルという感じがします。R&Jのラストとは異なり、トニーが死んでもマリアはずっと生きていくというのにいつも感動します

⑫人文特講 7月11日
昨晩、TBSの情熱大陸は蜷川氏であった。彼の〝人間はなまけだしたら止まらない〟という持論が非常に印象的だった。常に進化を続け、良いものを創り出そうとする姿勢に感嘆した。野田秀樹、串田和美にしても、彼らのような進化し続ける演出家たちと伝統芸能がコラボレーションすることは、今後多くなるだろう。歌舞伎だけでなく文楽、能、狂言でも、そうなることが楽しみである/18世紀に出来たということを考えると、現代に生きる自分は幸せだなと思った。それ以前の人たちは表現形式が限られた中でしか楽しむことが出来なかったから。その中での楽しみはまたあるのだろうけど。これから先に今までは考えつかないような新しい表現形式が出来るのかなと考えると、楽しくもあり、またそれを体験できないかもと考えると悲しくもある〈生の芝居や音楽を楽しむ、その楽しみは、まさにその同時代性なんだと思う〉/人形浄瑠璃を子供の頃にテレビで見た覚えがありますが、その時は後ろにいる黒子が気になってあまり面白いとは思いませんでした。しかし今日見たのは本当に人形が生きているようで、手の細やかな動きや油で滑る動作、女の殺すときの迫力など一度実際に見たいと思いました/まず、スターウォーズとアーサー王の話では、今までまさかこの2つに繋がりがあるなんて思っていなかったので、面白かったです/文楽の人形の動きが、とてもリアルで驚きました。恐怖や怒りで顔や体が小刻みに震える様が特に印象に残り、あれほどの技術を習得するのにどれ位、時間がかかったのかと考えたのですが想像がつきませんでした。伝統芸能の〝重み〟を見せつけられた思いです/藤原竜也と鈴木杏のロミオとジュリエットもっと見たかったです。舞台が受験の冬で見れなくてすごく残念でした。でもDVDでたんですね。英語の舞台を日本語でやるにはすごく大変そう。聞き取れないところも少なからずありました。しかし、あの舞台!どうしてそんな新しいことを思い付くんだろうと尊敬します/最後に観た「ロミオとジュリエット」の舞台が面白かった。舞台セットが顔写真が一面に貼ってあるカベという所からして斬新だし、しかも舞台の空間を階段で上下に移動できるようにして縦に使ってるのも面白かった。藤原竜也の割舌の良さに驚いた。あんな長台詞をつっかえずに言えるとは…。そしてシェイクスピアはやっぱり一つ一つのセリフが長くて大変だなぁと思った/私はレポート課題でオリヴィア・ハッセイのR&Jを2回見ました。この映画でも結構原作に近いものでしたが、今日見た舞台はさらに忠実に演じられていてとても良かった。初めは鈴木杏の登場シーンで少し子供っぽさを感じましたが、これからロミオと出会い13歳の少女がどのように成長していくのか楽しみだなぁと思いました/就職活動で毎日歩き回る中で何度か広告を見たり、この2~3回紹介されていて興味が湧いたので、「NINAGAWA十二夜」のチケットを取って見ました。企業面接の移動の合間にシェイクスピアの原作も読みました。中学、高校の頃は、感想文を書くため嫌々読んでいた文学作品を最近は面白いと感じます。この「十二夜」も、とても楽しく読めました。日本の「とりかえばや物語」に少し似ている気がします。今日、先生がおっしゃっていた、歌舞伎でシェイクスピアを演じるのはシェイクスピアの時代の男性だけで演じられるのと同じ、という言葉で、今から見るのが楽しみです/最初に見た「女殺油地獄」はとても印象深かったです。人形はまるで生きているように動き、表情も豊かで目の色が変化したり、眉が動いたり、また人形を動かす人の優れた技術を窺うこともできました。腹を刺され、髪を乱しながら倒れる場面も迫力がありましたが、実際にはない「油」を人形の動きによってあるように見せる所はやはり最大の見せ場だと思いました/原作を小説で読んだ時、「映画ではこのままでは絶対くどい」と思ってましたが、舞台化した時、まさにセリフが生き生きしていました/アーサー王がスター・ウォーズの元ネタであるとは言っても、かたや近親相姦のドロドロな話、かたやド派手なスペースオペラ、あまりにギャップがあります/女殺油地獄も人形だと思って甘く見ていましたが、人形が人間のようなリアルな動きをすることに驚きました。背が高くなったり、感情を表現していたり、とても人形とは思えませんでした/活版印刷は高校の歴史の授業で習った記憶があります。ですがまだ活版印刷で発刊された本に出会ったことがありません。肌ざわり試してみたいです/蜷川演出の「ロミオとジュリエット」は、割と原作に忠実に描かれていると思いました。でも、あの背景は物語の雰囲気を壊すような気がして私は嫌でした。ジュリエット役の鈴木杏は〝ハマリ役〟といった感じで可愛かったです。ロミオ役の藤原竜也は少しイメージと違う気がしました。上手いんですが…/小説の出来上がりと、歴史的な文明の発展とはやはり密接に関わっていると分かりました。それならIT技術の発展してきた現代では、物語でも小説でもない新しい形の文学が出現することもあるのではないかと考えました〈当然、出現するでしょう〉/ロミオとジュリエットは舞台だとやっぱり全然違う感じだった。少し早口だと感じたけれど、あれくらいが普通なんですか?〈ふつうですね〉/キリスト教と封建制度が中世を支えていたというのも知って、改めて文化っていうのはその時代の政治の結びついているものなんだなぁと思いました/グーテンベルクが活版印刷を発明し、西洋では小説が流行した頃、江戸では木版印刷による浮世絵や画文混交の黄表紙などが全盛期を迎えていた。確かに西洋活版印刷は安く大量に、早く刷ることができるかもしれないが、木版印刷でなければ、北斎も歌麿も生まれていなかったかもしれないし、現代文化でここまでマンガが発達していなかったかもしれないと考えると感慨深い/ところで今日最後に見たロミオとジュリエットはホワイティング版の映画のイメージが強かったせいか、とても奇妙な感覚でした。でも乳母役の人はあんな感じでしたね。イメージってすごいなと思いました〈なぜか、R&Jの乳母はみんな、あんな感じになってしまう〉/レポートのためにいくつかシェイクスピア作品を調べたのですが、そのストーリーも小説あるいはマンガでまで見たことあるようなものがあり、「本当に新しいストーリー」というのは今後出来るのかな? と思ったりしました/授業の始めに見た女殺油地獄は、人形の膝の動きに驚きました。本当につるつる、がくがくと前に進めない様子で人形とは思えませんでした/今日は前期最終日! 2千字の宿題もできて良かったです。夏休みを使って、ミュージカルや寄席を見に行こうかとおもっています/やっぱりシェイクスピアのセリフは日本人には向かない気がします。役者によっては、ほとんど聞き取れない人もいましたし/どう見ても美しい女性とはみえない鈴木杏のジュリエットですが、逆にあの無邪気さこそが、年齢に相応しいジュリエットなのかな、と思いました。今まで映画なのでジュリエットを演じた女性が美し過ぎたのかもしれません/小説の誕生にいかに社会的な側面と技術的な側面の近代的な発展が必要であったかということがよく分かりました/せりふも大体覚えてしまったし、藤原竜也の声が聞き取りやすくてステキでした/『女殺油地獄』を初めて見たが、これほど人形が生々しく動くと、自分の中で何かわきあがるものがあった/「ロミオとジュリエット」の舞台版は初めて見ました。原作通りにやっているけど、やっぱり視覚で訴えるものがものがすごく多くって、例えば14歳という子供らしさは、この舞台でしか感じ取れなかったし(人形をあやしてるとことかが)原作では及ばないほどの想像を越えていてすごい良かった。やっぱ舞台はいい!/終わりで見た蜷川さんのロミオとジュリエットは、映画より全然面白かったです。演出が違うとこんなに違うんだなーと思いました/今日の授業で一番印象深かったのは、最初に見せてくれました「女地獄油地獄」でした。ただの人形にあんなにまで「生」を与えることができることにびっくりしました。「ビクッ」と小刻みに動いたり、しなしな…とゆっくり倒れていったり…と、動きが本当に生身の人間の様でした。あそこまでいくと芸術ですね。感動しました。9月に公演があるということなので、是非見に行ってあの迫力を間近で感じたいと思います/やっと、スターウォーズとアーサー王の話が開けたのでスッキリしました。ドン・キホーテはこの間帝劇へ見に行って来たばかりなのですが、これも関係があったとは驚きました。今日一番最初に見た「女殺油地獄」で、ああいうのは見たことがないのでよくわからないのだが、拍手をするところがよく分からなかった。場面が終わると拍手が起こるのは当然だと思うが、まだ続いている中で拍手が起こることにびっくりした。「えっ? 今するの」っていう感じになってしまうと思った。ワインを次に飲むときは活版印刷を思い浮かべてしまいそうだ/作品が作られた当時の社会的背景、政治的背景、経済的背景、技術的背景、その他諸々、文学を学ぶということは同時に歴史を学ぶ事と同じだと分かった/前期の授業を通して落語や文楽、歌舞伎に興味を持ちました。それ以上にシェイクスピアに関心があります。「ハムレットを初めて読んで他の作品ももっと呼んでみたくなったし、やっぱり世界ってこれだけ長い間好んで演じられている作品はちゃんと読んでおかないといけないと感じました/「銀河鉄道の夜」はよく分からないですが、佐藤賢一の「カルチェ・ラタン」にマルタさんという女の人が出てきます。その人が活版印刷屋だった記憶があります。アルファベットの1文字を必ず入れ忘れて印刷しちゃうなんてことを言ってました。字しか印刷できないんでしょうか。絵だと木版なら平気そうですけど、当時ヨーロッパで挿絵刷りの本てあったんでしょうか〈いや、図版や風景画なんかも、鉛で版を作って印刷します〉/最近スターウォーズエピソード3のブーム(?)に乗って今まで一回も見たことがなかったスターウォーズを見てみたらすごく面白くてはまっているので、アーサー王とスターウォーズの関係のビデオが見れて良かった!でもまだエピソード6を見ていないのに、チラッとラストシーンが出ていたのでそこは見ない振りをした。やっぱりエディプス・コンプレックスの概念はあらゆるところに散りばめられているんだなぁ…と改めて思った/「木版」は、木で文字を彫ると授業で聞きましたが、印刷した時、文字が白く浮かび上がって、回りが黒くなるということですか?〈いや、字が浮き上がるように彫ります〉/落語からシェイクスピアまで前期は授業しましたが、シェイクスピアの話をもっとして欲しかったなと思いました。ラスト2回くらいだったので、ちょっと残念です/舞台だとセリフのテンポの良さがより分かりやすく伝わってきて面白い/最後に「ロミオとジュリエット」を観たが、映画の方がだんぜん良かった/途中から人形の動きが激しくなってきて髪が乱れていく所などは本当にリアルで少し怖かったです/ラストで見た舞台の「ロミオとジュリエット」はイマイチ好きになれませんでした。セリフをひたすら言っているように思えて/歌舞伎のように、動きは大げさで激しいものであるにも関わらず、人形を操っている人形師は顔色一つ変えずに操っている。実際に見に行ってみたいと思った/操作している人たちが、普通は黒子みたいに顔や体を見せないようにしているのに、顔を出していたのはなぜだろうと思いました〈名人になると、顔を出します。客のほうも、名人の顔を見たいと思うのでしょう。まあ、むかしは名人でも顔を隠していたんだけど〉/女殺油地獄の近松バ-ジョンとても良かったです。なぜだか〝人形〟というのは重さが強すぎるくらい伝わってくる。自分の中の深いところまでずーんと浸透していく感覚が得られます。そして何より美しいです。9月の文楽での公演は是非生で見てみたいと思いました。蜷川版のロミオとジュリエットはすごく見たかったので少しですが見られて感激しました。マメさんの口上がとても印象的でそこからゾクゾクというのとワクワクというのが一緒に襲ってきました。さすがと思いました/小説に限らず物語はやはりハッピーエンドが私は望ましいように思う。課題のシェイクスピアの作品を含め、悲劇だと何も得られないように感じるからだ。喜劇なら見て楽しいとか元気になったと思えるだろう/「ロミオとジュリエット」にしても「十二夜」にしても、69歳なのにあの情熱、エネルギーはすごい。藤原竜也は蜷川のエネルギーをそのまま芝居で表現しているように思います。他の役者を圧倒していると思います。最後まで見たかった…/レポートが終わってほっとしました。来週はいよいよ『十二夜』です。今からとても楽しみです! そして「亀も空を飛ぶ」の試写会の券、有難うございました。綿井さんの話をしっかり聞いてきたいと思います/私がこの授業を受けるにあたり最も楽しみにしているのは、世界が繋がっていく瞬間である。ある物語が別の物語と何らかの接点を持っていた、などというものだ。世界が広がっていくという感覚こそが人が何かを学びたいと思う理由だと思う。その〝広がり〟を多く学べて非常に良かった〈後期も、いろんな話やいろんな情報がクロスしていきます〉/こうして前期やってきたものを振り返ると、驚くほどの符合があって、今更ながら感心しました。予想していたよりもアカデミックで、これまで抱いていた文学のイメージ自体も変わるほどでした。毎回の映像の中には新しく興味を持ったものもあり、今後の生活で影響を受けるような気がします/蜷川さんの舞台装置というのは本当に独特で、どの演劇でも幕が上がった瞬間、引き込まれるものだなあと思いました。今度絶対見に行こうと思っています/舞台演劇において演出という仕事が何をしているかほとんど分からないが、『ロミオとジュリエット』のDVDを見て「なぜ?」と思う部分がたくさんあった。例えば飛行機の離陸の際の爆音がなぜ頭に入っていたかなど挙げればきりがないが、そのすべてが蜷川幸雄によるものだからなのか、それとも舞台というのはそういうものなのか〈そのへんはなんとも説明しがたい……ので、自分でたくさん芝居を見て、自分で考えてほしい〉/日本に小説が入って来たのだって、ただ自然と入ってきたのでなく、いろんな人の努力の結果だった。今読んでいる本を当り前だと思わないで、それを取り入れた人に感謝したい/ロミオとジュリエットの舞台が印象的だった。人の顔というのはすごい/レポートのおかげで、かなりロミオとジュリエットに関しては頭に入っています。ただ日本人よりは、やはり外国の人が演じた方が受け入れやすいと思いました。ジュリエットはともかく、ロミオがあんなに東洋の顔をしているのは微妙な気がします


 last updated 2005/7/22